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  • マーケティングコラム

リブランディングを成功させる取り組み方やポイント、事例を解説

松本 朋子
株式会社マーケティング・ハピネス代表取締役
マーケティング&ブランディング コンサルタント

日経新聞系列の広告代理店で広告とデータベース・マーケティングを担当し1996年独立。凸版印刷パッケージ事業本部とディレクター契約、同時期にレシート調査を実施。2006年マーケティング・ハピネス設立。インサイト研究会を現在に至るまで15年以上東京、大阪で毎月実施。生活者購買心理の解き明かしを得意としている。著書に『あっ、買っちゃった』(フォレスト出版刊)他。

松本 朋子

2022 / 11 / 11

#ブランディング,#ブランド メーカー

リブランディングを成功させる取り組み方やポイント、事例を解説

製品・サービスについての共通のイメージを、消費者の間でブランドとして確立させることができれば、ブランディングは成功したといえます。今回は、ブランドを再活性化するための「リブランディング」のメリット、成功させるための取り組み方やポイントについて解説します。

ブランド再活性するためのリブランディングとは

リブランディングとは、既存のブランドの方向性を変え、ブランドを再構築して再活性化することです。

自社の製品・サービスについて「ブランドのイメージが時代に合わなくなってきた」「消費者の求めるものと違って陳腐化した」と感じることがあれば、それは「ミスマッチ」が起きている状態です。ブランドイメージと消費者との間でミスマッチが起これば、製品・サービスがいかに優れているものであっても、消費者は次第に離れていってしまいます。

このミスマッチを解消するために、時代の趨勢や消費者の変化などに応じて、既存のブランドの方向性を変えるのがリブランディングです。

新規のブランディングは、長い時間をかけて戦略を練る必要があり、その分、費用や労力がかかります。リブランディングは、すでにブランドが確立された製品・サービスがもととなるので、そのブランドを活用すれば、少ない費用と労力で新規のブランディングと同様の効果を得ることも見込めます。

リブランディングが必要な理由を分析する

リブランディングを行う前に、そのブランドが「なぜ市場で長年にわたって優位性を保っていたにもかかわらず、再構築しなければならないほどに価値を落としてしまったのか」について検証・分析する必要があります。

リブランディングが必要になる原因はさまざまですが、大きく分けて以下の4項目に分けられます。

・市場の変化に追いついていない
市場が変化しているにもかかわらず、成功体験の継続によるマンネリ化が進み、消費者に飽きられている

・ブランドが劣化・陳腐化した
競合他社の成長、技術革新、新ジャンルの台頭と既存ジャンルの衰退、市場の価値観の変化、社会情勢の変化により、ブランドそのものが劣化・陳腐化している

・ブランドの設計ミスがあった
製品・サービスの性質が悪かった、価格設定やターゲット設定などに問題があった、マーケティング戦略が甘かったなど、ブランド設計時にミスがあった

・さらなる成長を狙っている
ブランドの成長を目指すために、何らかの変化が必要だと感じている

「市場の変化に追いついてない」ことが理由でリブランディングが必要になるケースは、競合他社の成長などの外的要因が影響しています。例えば、競合他社の成長によりブランドの価値が下がった例としては、国産メーカーのノートPCや携帯電話などが挙げられます。日本では、かつて国産メーカーのブランドが高い人気を誇っていましたが、海外勢が成長してからは、以前ほどの価値は持たれなくなっています。

ひと昔前までは「多くのモノを持つのが良い」という価値観が主流でしたが、現在は「ミニマリスト」をはじめ「モノを持たないこと」にも価値が置かれ始めています。こうした価値観の中では、いわゆるバブル時代のようなブランドは好まれません。ブランドそのものは変わらないのに、外部の変化が原因で価値を落としてしまっている状態です。

それ以外の3つの原因は、ブランドそのものの内的要因と言えます。ブランドの劣化・陳腐化は、外的要因と向き合うことができない製品・サービスの性質または企業体質に起因しています。ブランドとしては成功していても、時代の変化とともに製品・サービスの欠点が目立ってきたり、ターゲット設定が合っていなかったりした場合、それは「ブランドの設計ミス」です。

同じ内的要因でも「さらなる成長を狙っている」場合は、少し違います。上記3項目が不調になったブランドを再構築するためのリブランディングであるのに対して、「さらなる成長を狙う」ためのリブランディングは、その時点でのブランドの価値は変わらず好調です。それでも、さらに将来を見据えてブランドの価値を高めるために行うという、いわば前向きなリブランディング要因です。

そのため、分析するポイントも他とは違います。先の3項目が「なぜ不調なのか」という観点から分析する必要があるのに対して、「さらなる成長を狙う」ためのリブランディングでは「なぜ好調なのか」がポイントになります。現時点でそのブランドが好調なのか不調であるのかを客観的に把握することは、リブランディングで最初に行うべき作業です。


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リブランディングを行うメリット

リブランディングを行うメリットは、売り上げの安定的確保です。日常に埋もれた可能性のあるブランドが、改めて魅力を伝える機会ともなり得ます。

新商品を単独で発売する、あるいは新ブランドを立ち上げるとなると、膨大な費用がかかり、場合によっては何年もかかることもあるでしょう。その点、リブランドであれば、すでに消費者から認知されているため費用も抑えられますし、成功率が高くなります。

リブランディングでブランドの価値を再定義し、50年先、100年先を見据えたブランドに生まれ変われば、企業の経営を安定させることができます。

リブランディングの実施方法・流れ

ブランドは 「識別因子」「品質保証因子」「駆動因子」という3要素で構成されていますが、リブランディングを実施する場合、中でもブランドの価値を左右する役割を持つ駆動因子が重要になります。具体的な実施方法と流れをみていきましょう。

現状分析をする

まずはブランドの現状分析を行い、すべてのカテゴリーはもちろん、商品の数字(売上、利益、市場シェア等)を確認します。それをもとに、全体として売上が落ちているのか、特定のカテゴリーだけ落ちているのか、あるいは前年同様なのか等、状況を把握します。

併せて、ポジショニングマップを作って競合他社のブランドを配置することも必要でしょう。ただし、国内の競合他社だけでは不十分な場合もあるので、海外の競合他社も参考にするといいでしょう。

理想のブランドをプランニングする

次に、理想のブランドをプランニングしていきます。とはいえ、リブランドの場合はもともとブランドの特長(核となる機能的便益)があり、変えてはいけない部分が必ずあります。

現状分析で明らかになった「時代の変化」や「消費者の嗜好や行動の変化」を考慮しつつ、ブランドの核となる良さを残しつつ、時代に合う形で理想のブランドを描きます。

ブランドの駆動因子は、消費者の指名購買や反復購買、いわゆる「ブランド・ロイヤルティ」と関係していることから、ブランドのどこを変えて何を残すかはとても難しいテーマです。長く続いているブランドの場合、ブランドの若返りがテーマになるケースもありますが、ロイヤルティを持っている消費者が急激に離れてしまうような事態は避けたいものです。

現状とのギャップ要因を考えて戦略を練る

続いて、現状とのギャップ要因を考えた上で、戦略を練っていきます。

例えば、大塚製薬のスポーツドリンク「ポカリスエット」は、発売当初から「発汗時の水分補給飲料」という、明確な“核となる特徴”がありました。このような特徴のことを「コア・ベネフィット」と呼びます。コア・ベネフィットに企業の技術的な裏付けがあれば、そのブランドの優位性は高いと言われています。

しかし、時代の変遷の中で、ジュース類からより水に近い飲料が消費者に好まれるようになり、ポカリスエットのカロリーの高さを気にする人が増えました。こうした外部環境の変化が「ギャップ要因」です。

これを受けて同社は「ブランド全体の見直しとブランド拡張」という作戦を採用し、低カロリーでスッキリとした味わいの「ポカリスエットイオンウォーター」を新たに発売しました。時代のニーズに合わせた低カロリーで水のように飲める飲料を発売することで、需要が高まっていた水やお茶に近い部分へのポジショニングに成功したのです。

出典:大塚製薬|ポカリスエットの歴史
https://pocarisweat.jp/products/history/

ユーザーにリブランディングをニュースリリースする

リブランディングのリリース日が決まったら、まず営業や広報の部署をはじめとした社内、そして社外にニュースリリースを発信します。このとき、関連の取引先や代理店等、普段からブランドとのかかわりが深い方々が後から知ることがないように配慮します。

さらに、報道関係にもリリース文書を写真添付の上で送ります。ポイントは、リリース日まで2週間程度余裕を持たせることです。そうすることで、メディアに取材をしてもらえる可能性が高まります。

担当者と面識のない新聞社や雑誌社であっても、きちんとリリースを送付することでお付き合いが始まることもあります。発売日直前には、Webのプレスリリースも配信しましょう。

ユーザー、ヘビーユーザー、ファン等のリストがあるならば、こちらにもリブランディングをお知らせします。期待感を持っていただけるよう、予算が許せば何らかのキャンペーンを組み立てると良いでしょう。

実施後の効果を分析して改善する

リブランディングからある程度時間が経った段階で、リブランディング以前との売り上げの変化を分析します。

戦略をしっかりと練ってリブランディングを実施し、リリースを配信、ユーザーへの告知もきちんと行なった場合、一時的であれ売り上げが上がるはずです。その後、落ち着いた時期の売り上げがリブランディング以前と比べてどうなのかが重要です。

特に、味や機能など、中身に関する変更をした場合は、特にリリース日からしばらく経った後、リブランド前との売り上げの変化を確認しておきましょう。変更等がファン離れにつながっていないかどうか、しっかり分析し、柔軟に対応する必要があります。


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リブランディングの効果を最大化するポイント

リブランディングは、ブランド立ち上げに比べてエネルギーや経費を要するものではありませんが、いつでも気軽にできるというものではありません。効果を最大化するためにも、以下のポイントを押さえた上で行いましょう。

タイミングを適切に見計らう

リブランディングを行うべきタイミングとは、カテゴリー全般(店舗であれば全国一様に)の売り上げが減少しているときです。1つのカテゴリーにかぎった減少であれば、その分野に強力なライバルが出現したなど理由が考えられ、リブランディング以外の改善策が適しています。

大胆に実施する

リブランディングでは、ブランドのスピリットはしっかり押さえつつ、時代の変化に合わせて大胆な変化を取り入れましょう。コーポレートブランドであれば社名、商品ブランドであればロゴマークやウェブサイト等、予算と相談しながら大幅に刷新していきます。

イメージが一新されるような変化であれば、マスコミで取り上げられる可能性も高まりますし、ネットニュースに掲載されるかもしれません。ここからSNSでの口コミなどにつながり、消費者の期待感を否応なしに高めることができます。

中身もリブランディングする

リブランディングでは、ロゴマーク等のデザイン面の変更などが取りざたされがちですが、そうしたわかりやすい部分のみならず、それ以外の細かい部分のコンセプトまでしっかりと決める必要があります。ロゴマークを変更する場合でも、事前に今後の戦略、コンセプトを練った上でデザイナーに発注します。

リブランディングの成功事例

ここからリブランディングの成功事例を見ていきます。ブランドの核となる部分を残しながら、時代の変化をとらえてブランド刷新することに成功した事例です。

スターバックス

スターバックスは1980年頃からコーヒー豆をブレンドせずに一杯ずつ丁寧に入れる「スペシャリティコーヒー」と呼ばれるコーヒーショップが増えたことを受けて、時代背景と消費者の嗜好の変化に合わせたリブランドを実施。高級志向の店舗「STRBICKS RESERVE ROASTERY(リザーブロースタリー)」や「STRBICKS RESERVE BAR(リザーブバー)」 を展開し、通常店舗との差別化を図りました。

ロゴマークの変更も数回行っており、サブブランド「TEAVANA(ティーバナ)」での紅茶の展開に合わせてロゴマーク内のコーヒーという文言を削除しています。すでにブランドが十分に浸透していた同社だからこそできたリブランドといえるでしょう。

出典:STARBUCKS RESERVE®|WELCOME TO STARBUCKS RESERVE®
https://www.starbucks.co.jp/reserve/

ポッキー

江崎グリコの「ポッキー」は1966年の発売以来、“持つところのあるチョコレートスナック”という明確なコンセプトや食感の楽しさでロングセラーとなりました。

1994年にはロッテが「トッポ」を、1999年には明治が「フラン」をそれぞれ発売するなどして、競合のチョコレートスナックが注目を集めましたが、江崎グリコはフランに対抗した「アーモンドクラッシュポッキー」などを展開。そのほかにも2007年発売の「ポッキー<極細>」、2012年発売の百貨店や空港などに売り場を限定した高級ポッキー「バトンドール」、2016年発売の地域限定ポッキー「地元とつくる地元ポッキー」などをリリースし、あらゆる人にポッキーを食べてもらいたいという思いから“さらなる成長”を目指したリブランドを実施しています。

また、ポッキー全般のブランドについても、コミュニケーションの刷新が数年ごとに行われ、近年では味や食感のみならず、人と人のつながりを生むお菓子として「Share happiness!」を掲げるリブランドを実行。こうした取り組みが、ブランドの鮮度を保つことにつながっています。

出典:江崎グリコ株式会社|商品
https://www.pocky.jp/products/index.html

湖池屋

湖池屋は2016年にコーポレートマークを一新し、2017年にグッドデザイン賞を受賞。リブランディングの背景には、少子高齢化や“間食にも健康志向“を求める時代の変化があり、ロゴ一新と同時に発売した商品「KOIKEYA PRIDE POTATO」も大ヒットしました。

「老舗の料亭」をイメージしたロゴは六角形で、縁起が良いとされる意匠です。単なるスナック菓子の場合、消費者は安価を求めがちで低価格競争に巻き込まれることがありますが、湖池屋のリブランディングは価格競争からの脱出にも貢献しました。

出典:GOOD DESIGN AWARD グッドデザイン賞|2017年度
https://www.g-mark.org/award/describe/45871

創業のスピリットを見つめなおす

リブランディングを検討する場合、まずは自社の創業スピリットを見つめ直すことも必要です。そもそもリブランディングは、既存のブランドが持つ資産を活かしてブランドイメージを再構築する作業です。もし根本から変えてしまえば、リブランディングではなく既存ブランドの廃止になります。多くの消費者が慣れ親しんできたブランドを企業の都合で廃止すると、消費者が良い印象を持たず、企業のイメージを低下させることもあります。

創業から100年以上経っても価値を保っている老舗ブランドには、「不変」と「変化」が共存しているという共通点があります。本社所在地が移転したり、ロゴが作り直されたりと、さまざまな事情で「変化」することはあっても、「企業理念」や「創業の精神」など「不変」の部分は変わっていません。

「不変」の部分は企業経営の軸ともいえ、ぶれることがあれば経営が傾きます。リブランディングは、軸を残しつつ外的要因に合わせて変えられる部分を再構築することともいえるのです。

時代に合ったブランド戦略を再構築する

リブランディングでは、創業時のスピリットを大切にしながら、時代や消費者などの外的要因に応じて変化することが重要です。いかに優れた製品・サービスでも、ブランドが時代と消費者の求めるイメージに合わなければ、売上が伸び悩む可能性があります。変化する時代に生き残るためには、時代に合うブランド戦略を再構築しなければなりません。時代と消費者の変化を見越して、ブランドが進む方向を決めていきましょう。

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