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- グローバルコラム
ジャカルタ中心地のデパート・最新レポート~中間富裕層向けデパートから見る、ジャカルタの消費事情とは?~
Cross Marketing Asia Pte. Ltd.
アカウントスーパーバイザー
堀川 なつ美
2015 / 03 / 24
ますます注目されるインドネシアのマーケット
2012年時点では、人口の30%の7,400万人が「中間・富裕層」でしたが、2020年以内にはこの層が1億4千万人を越えると予想されている、とても魅力的なマーケットです。
※参照1
その中でも、首都であり、同国最大の都市・ジャカルタは、2014年に人口950万人を超える大都市。近郊を含む都市圏人口は、東京に次いで世界第2位の2,996万人で、日本企業も多く進出しています。今回は、このジャカルタ中心部にあるデパート、「Kuningan City」にて、ジャカルタの中間・富裕層の暮らしをのぞいて来ました。
他先進国に引けを取らない最先端のデパート
まず驚いたのは、デパートに向かう途中の道路にずっと続く野外広告です。インドネシアは一年中渋滞があり、車内で過ごす時間が長いため、高速道路や一般道路脇の野外広告がとにかく目立ちます。広告はローカル企業のものも多少ありましたが、欧米のグローバル企業、韓国企業、日本企業のものが多く見られました。デパートに着き、更に驚いたのは、日本やシンガポールのデパート同等、もしくはそれ以上の広さ、品揃え、清潔さがあることです。内装デザインは、日本のデパートと比べてもKuningan Cityは引けをとらない、と感じました。数々のグローバルブランドも揃っており、価格はグローバル価格そのまま。3万円の靴や2万円の帽子が並んでいます。
ジャカルタは平均月収が5万円と言われているのですが、買い物客は観光客や駐在員というよりローカルの富裕層が多い印象です。店内は欧米ブランドの鞄やサングラスを身につけている人が目立ちます。
GMS内の人目を引く広告展開ー日本メーカーのプレゼンスは今後に期待
次に、このKuningan Cityの中にある総合スーパー「LOTTE Mart」へ。その品揃えや丁寧な陳列にも驚きましたが、エンド棚や特別棚での、思わずはっと見てしまう広告が印象的でした。ダヴやパンテーン、AXEなどのグローバルブランドがやはり中心ですが、ポカリスエットは飲料コーナーでも一際目立った特別棚を展開していました。
陳列商品の価格帯も特にローカライズをされているわけでなく、日本のスーパーと変わらないことにも驚きましたが、残念ながら、このGMSでは、家電・飲料・食品・化粧品それぞれのコーナーで、まだ日本ブランドの存在感があまり強くないように感じました。
中間・富裕層が増えていく中で、こういったGMSでのブランドPR合戦がますます予想されます。
日本製品に慣れた私としては、今後、更に日本メーカーもこのマーケットに入り込み、素晴らしいジャパンクオリティの商品がここジャカルタで簡単に手に入る日を期待したいと思います。
※1参照URL
http://www.bcg.co.jp/documents/file142871.pdf