マーケティングコラム

『定性調査(インタビュー調査)』を成功させる“コツ”

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中村 基
株式会社クロス・マーケティング
リサーチプランニング部 マネージャー/シニアリサーチャー

中村 基

「生活者の多様化」「情報の多様化」「マーケット変化のスピードの加速」の時代の中、一般生活者の“気持ちや真意を読みとる”重要性が増してきています。そこで、定量調査(WEB調査など)では取得しきれない、一般生活者の気持ちの奥底にまで踏み込んで洞察することができる定性調査(インタビュー調査)のマーケティング活動における比重が高まっています。今回はそんな定性調査についてご紹介いたします。

インタビューでは “訊く、聞く、聴く”

 私がインタビューをする側として最も重視している点は、対象者に対して常に“訊く、聞く、聴く”というききかたをしていることです。この“3つのきく”は、最初に「訊く=質問を投げかける」ことから始まります。次に対象者からの回答を「聞く=何を答えたのかを表面的に聞く」。最後に相手の気持ちを理解するため、相手の真意を考えながら、頭の中で「聴く=言葉の裏側、核心は何かを読み取る」のです。
 特に重要なのは最後の「聴く」という行動で、これをやらないと、インタビューは表層的な質問⇔回答のやり取りに終わってしまいます。“対象者は必ずしも本当の自分の気持ちを言葉にできるとは限らない”からです。

質問(アスキング)を減らし、傾聴(リスニング)を増やす

 このように“対象者は必ずしも気持ちを言葉で表現できるとは限らない”ため、こちらが一方的に質問(アスキング)をすると、「答えなきゃ!」と考え、思ってもいないことを答えてしまうこともあります。これをできるだけ防ぐインタビューとして『傾聴(リスニング)を増やす』という手法があります。 “自由に話してもいい”“質問の答えになってなくてもいい”といった気持ちにさせることで“自発的な発言”が発生し、その言葉から新しい発見をすることができるのです。つまり『○○で満足している点は何ですか?』と訊くのではなく『○○について、思いつくままにお聞かせください』と大きく訊くことで、自由な発言が生まれるのです。

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“デブリ―フィング” で得意先と意見交換

 インタビューが終了したあとに行う「デブリーフィング(得意先との意見交換)」は、非常に重要なステップです。 インタビューで出てきた“キーワード”や“自分が読みとった真因(本当の原因)ポイント”などを、全員がその場ですべて“吐き出す”ことにより、色々な角度からの分析ができるからです。また“読み取り方の相違”があった場合には、なぜそう思ったのかをしっかりと話しあい、結論に近づけることもできます。
 デブリ―フィングのやり方は、ホワイトボードなどに、みんなが話した“キーワード”をできるだけたくさん書き出します。それを見ながら議論すると、よりまとまりが早いため、私は必ず行っています。

とにかく“洞察力”を鍛えていこう!

 このように、インタビューという手法は答えがすぐに表面にでてくるものではないため、言葉や表情や態度を観察したり、意味や意図を理解したりするなどの“物事に対する洞察力”が重要です。この洞察力をフル活用するのがインタビューの醍醐味(面白さ)なのです。

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