アンケート調査の種類・方法・費用相場

ビジネスにおける重要な意思決定に欠かせない市場調査。

その代表的なアプローチであるアンケート調査を具体的に検討/実施し、成功に導くにはアンケート調査に対する理解が必要不可欠です。

 

アンケート調査の種類・進め方から、費用相場(ネットリサーチは300サンプル20問で約23万円〜)、依頼先の選び方まで体系的に解説します。年間6,000件超の調査実績をもとに、初めての方が失敗しないためのポイントもご紹介します。

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アンケート調査とは

アンケート調査とは、予め定めた質問に対する回答を対象者から集める調査手法です。調査目的に応じて適切な対象者の選定と質問の設計を行い、最も効率的で精度の高い方法で回答を集めます。一般的には質問、回答の選択肢や自由記述などの回答欄が記載された調査票や質問票と呼ばれるアンケート用紙を作成し、インターネットや郵送など様々な方法で回答を回収します。

アンケートの元々の語源としてはフランス語の調査を意味する「enquête」です。日本国内においてマーケティングリサーチの文脈で用いられるアンケート調査は、調査票を使用してモニターやパネルと呼ばれる多数の調査対象者から同一の質問に対する回答データを集める活動を意味していることが多いです。

そのため、回答に応じて質問内容が変化するインタビュー形式の調査手法はアンケート調査に含まれないケースもありますが、このページでは各種調査手法の違いを理解する上で必要なため、インタビューでの調査も含めて解説します。

アンケート調査の種類・方法

アンケート調査には様々な手法や複数の分類方法・呼び方が存在します。アンケート調査の手法や種類について理解を深めるため、「得られる示唆」「調査環境」「調査手法」「調査用途」「調査目的/調査対象」という5つの観点からアンケート調査の種類を整理してご紹介します。

得られる示唆での分類

アンケート調査の種類には、定量的な観点から示唆を得ようとする定量調査と定性的な観点から示唆を得ようとする定性調査の二つに大別されます。

示唆での分類 目的・特徴
定量調査 母集団となる調査対象者が多い場合に全体の傾向を調べるために行われます。得られたアンケート調査の回答データを統計的な観点から分析することで、定量的な示唆を得ます。
定性調査 対象者に対してインタビューなどを通して、消費者の生活実態や製品/サービスの改善点などのより深い洞察を得るために行われます。

調査環境での分類

アンケート調査は、実施する環境によっても分類できます。ここでは、調査環境の違いという観点から、代表的な種類を整理します。

環境での分類 概要・特徴
オンライン調査 インターネット上で行う調査の総称です。ネットリサーチが代表的ですが、Web会議ツールを利用したインタビュー形式の調査もオンライン調査に該当します。
オフライン調査 オフラインで行う調査の総称です。現地で行うインタビュー形式の調査や店舗で行う店頭調査、会場を用意して行う会場調査などもオフライン調査に該当します。

調査手法/回収方法での分類

アンケート調査の手法や回収方法による分類として、下記の調査方法をご紹介します。

調査手法 概要・特徴

ネットリサーチ
(インターネットリサーチ、Webアンケート調査)

ネットリサーチはインターネット上で行うアンケート調査です。対象者条件に合うパネルにWeb上で回答してもらうことで、認知・利用実態などを把握します。低コストかつスピーディに大量のデータを収集できるのが特徴です。
セルフ型アンケートツールQiQUMO 画面作成から結果回収までを自身で行うセルフ型アンケートツール(DIYリサーチツール)です。通常のリサーチ会社への依頼に比べて費用を大幅に抑えつつ、スピーディに調査を実施できるのが特徴です。
LINEリサーチ LINEリサーチはLINEヤフー株式会社が提供するスマートフォン専用のリサーチプラットフォームで行うアンケート調査です。従来のネットリサーチでは難しい、学生や若年層に対して効率的なアプローチが可能です。10~20代を中心とした「若者」への調査実績が豊富です。Z世代、ミレニアル世代に対する情報収集を行いたい方にお勧めです。
グループインタビュー
(FGI: Focus Group Interview)
4~8人を1グループとし、モデレーターの進行のもとディスカッション形式で行う調査です。参加者同士の発言が刺激となり議論が活発化しやすく、表情や声色などから消費者の深い心理や本音を引き出せるのが特徴です。
デプスインタビュー
(IDI: In-Depth Interview)
モデレーターと調査対象者が1対1の面接形式で行う調査です。他の参加者がいないため、人前で話しづらいセンシティブな内容にも踏み込みやすく、個人の行動動機や心理をより深く掘り下げてヒアリングできるのが特徴です。
会場調査 会場調査は特定の会場に対象者を集めて行う調査です。会場内に売り場を再現したり、商品を展示して見てもらったりすることが可能です。商品やサービスに実際に触れてもらったり、試飲・試食してもらったりすることで得られる感想や、評価などを調査します。
店頭調査 店頭調査は実店舗を使って行う調査です。店内や店舗の出口で来店客に対するアンケート調査や売場・店内での動きの観察などが可能です。POP・パッケージ・売場レイアウトなど店頭の様々な要因による購買意識の変化を調査します。
ホームユーステスト ホームユーステストは実際に製品を家庭内で使用してもらう調査です。新製品の受容性や既存製品の改良点などを調べることが可能です。新商品や試作品のサンプルを実際の生活の中で使用してもらい、使用感や評価を調査します。
ホームビジット ホームビジットは対象者の自宅へ訪問して行う調査です。自宅ならではの非言語情報を観察することで、対象者の生活実態をリアルに把握することが可能です。

調査用途での分類

アンケート調査の用途からも分類が可能です。学術用途で行う「学術調査」と日本国外に対する理解を深める用途で行う「海外調査」についてご紹介します。

用途での分類 概要・特徴 クロス・マーケティングの特長
学術調査 学術調査は学生、教授、研究者の方々が論文執筆や学術研究のために行う調査です。学術調査では研究テーマに沿った調査対象者の確保や、複雑な質問内容やロジックに対応できるアンケート機能が必要になります。 累計10,000件以上の学術案件の実績があります。日本社会心理学会、日本心理学会、日本教育心理学会に積極的に参加し、先生方や学院生のお手伝いをします。お手軽にご依頼いただけるよう学術案件に向けた価格キャンペーンが適用されます。
海外調査 海外調査とは、日本国外を対象とした調査です。ビジネスで海外進出を検討する際に現地で行う市場調査などが該当します。現地の商習慣や生活者の理解、文化の違いなどを把握することが可能です。海外を対象とした調査のみではなく、海外からの来訪者を調査分析し、対象の需要性を明確にする訪日外国人調査」や日本国内にする外国人を対象とする在日外国人調査」も存在します。 世界85か国以上・1.4億人にリーチ可能なオンラインパネルを用意しており、欧米先進国、BRICS、東南アジア、オセアニアを中心に高品質な海外調査を実施します。ネットリサーチのみならず多数な手法に対応しており、海外へ上市した製品の実態調査や進出するための受容性調査、海外と日本の定点観測調査など試みたい方へお勧めします。

調査目的/調査対象での分類

アンケート調査の種類として、調査の目的や何を対象として調査するかでも分類が可能です。調査目的である「市場機会の発見」「アイデア創出」「戦略策定」「マーケティング戦略」「ライフサイクル管理」の5つの観点からアンケート調査の種類をご紹介します。

市場機会の発見

「競合が真似できない市場を探したい」「環境分析、生活者理解、未来を描きたい」という場合に行う調査です。

目的での分類 概要
ベンチマーク(定点)調査 商品の評価を定期的に観測し、施策効果や競合競争力の変化有無をチェックする
カスタマージャーニー分析 顧客の情報接点と行動をジャーニーマップで視覚化し、機会を発見しやすくする
生活者理解調査 生活者の意識・実態を調査する
U&A調査 商品の利用実態・意識を把握し、脱落要因やリピート促進要因を明らかにする

アイデア創出

刺さる・売れるためのアイデアを作るために行う調査です。

目的での分類 概要
アイデアスクリーニング 社内新商品アイデア群を生活者視点で絞りこむ

戦略策定(STP)

「どこを狙えば優位に立てるか」をセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの観点から考え、調査します。

目的での分類 概要
自社・競合把握調査 ユーザー調査から、売り上げを支える顧客増、スイッチ促進・売上アップ策を見出す
生活者意識行動把握調査 生活者の行動・意識パターンから、市場を分類し(S)、ターゲットを決め(T)、優位なポジショニングを見つける(P)

マーケティング戦略

売れる仕掛けを考え、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の選定を行うための調査です。

目的での分類 概要
デザイン評価調査 もっとも訴求効果があるデザイン&コピーを知り、パッケージや広告に活用する
試作品受容性調査 実際に試してもらい、市場に出す前のネガティブチェックを行う
コンセプト受容性調査 コンセプトが、どんな人にどう響くかを見極める / ブラッシュアップする
価格受容性調査 商品の適正価格をロジカルに算出する

ライフサイクル管理

上市後の長期戦略を実現するために、達成度測定、ブランド力強化、時代に合わせた変化を実現するための調査です。

目的での分類 概要
コミュニケーション効果測定調査 広告・プロモーションの効果を測定する
顧客満足度調査(CS調査) 現状評価から満足度を高めるための要素を抽出し、優先度をつける
新商品・サービス初期購入者調査 当初の目標が達成できているかを計測する(シェア・誰がどう評価し購入しているか)
従業員満足度調査(ES調査) 従業員定着の改善策を洗い出す / 店舗・業態別に業績との関係を分析する
ブランド認知・利用実態把握調査 ブランド力を測定し(浸透度・満足度・イメージ・ロイヤルティ)ブランドを育てる
店頭(売場)評価 現状評価から満足度を高めるための要素を抽出し、優先度をつける

目的別・おすすめ調査手法の早見表

目的 おすすめ手法 期間目安 費用目安
新商品の認知・購入意向を大量に把握したい ネットリサーチ 1〜2週間 9万〜30万円
消費者の本音・深層心理を掘り下げたい グループインタビュー 3〜4週間 40万〜60万円
自宅での実使用感を評価してほしい ホームユーステスト 3〜5週間 50万〜100万円
10〜20代の若年層に効率よくリーチしたい LINEリサーチ 1〜2週間 15万万円~

アンケート調査の流れ・進め方

アンケート調査の流れは次のような進め方になります。各項目の詳細とコツや注意点などについてもご紹介します。

 

Step.01
調査目的の明確化

アンケート調査でまず行うのは調査目的を明確にすることです。アンケート調査の結果がビジネスの意思決定に大きな影響を及ぼすことは少なくありません。正しい意思決定の判断材料となるように、仮説立案も含めて適切な目的・目標を設定します。
調査を成功に導くために重要なのは、何のために行うアンケート調査なのか、という目的を丁寧に具体化・言語化し、利害関係者であるステークホルダー間で共有することです。調査目的が明確であれば、後工程の調査設計や調査票の作成、分析やレポーティングなどの際に悩んだり迷ったりすることが無くなります。

Step.02
調査設計

予算や納期などの制約条件を考慮しつつ、調査目的を達成するために最適な調査手法、必要なモニターの属性や人数(サンプル数)、スクリーニングや必要な回答数、分析方法、実施時期や期間などを決めていきます。
調査設計が甘いと、後工程での修正や調整に時間がかかったり、調査に抜け漏れが発生したりしてしまうこともあるので注意が必要です。調査の成否を決める重要な工程ですので、調査設計が不安な方はリサーチ会社のリサーチャーに依頼するのがおすすめです。

回答者数の割付を決める

調査対象者の条件ごとに必要な回答者数を決めることを「割付設定」と呼びます。代表的な方法は以下の2つです。

  • 均等割付:年代・性別などの各マスの回答者数を均等にする方法。属性ごとの傾向比較に向いています。
  • 母集団構成比に合わせた割付:日本の人口構成比などに合わせて回答者数を配分する方法。社会全体の実態把握に向いています。

目安として、傾向を見たい軸は最低50サンプルを確保することが推奨されます。

Step.03
調査票の設計/作成

アンケート調査で使用する調査票の設計と作成を行います。調査票の構成要素は「依頼文」「質問文・回答欄」「回答者情報」の3つです。アンケートの趣旨を説明し(依頼文)、アンケートを回答してもらい(質問文・回答欄)、回答者の性別や年齢などの属性情報を記入してもらいます(回答者情報)。特に質問文・回答欄の設計が重要な要素で、質問の仕方で回答が変わってしまうことも珍しくありません。調査目的を達成するために適切な質問文を用意し、適切な回答方法を設けます。回答方法には自由記入、選択肢での単一回答・複数回答、選択肢に順位をつける順位回答があります。調査票を設計する際のコツは、質問の量や長さを適切にし、質問の順番や図表などを駆使して回答者の負担を極力軽減することです。複雑な質問や理解しづらい質問では、誤った回答が増えたり、回答自体が集まらなくなったりしてしまいますので要注意です。
リサーチ会社へ依頼する場合、調査票の設計と作成はリサーチャーがリードして作成していきますので、不安な方はリサーチ会社への委託がおすすめです。

失敗しない調査票のワーディング・設問設計

調査票の質は「誰が読んでも同じ解釈になるか」で決まります。以下、実務でよくある失敗例と改善例をご紹介します。

①質問の対象を明確にする

NG例:現在使用している除菌商品をお知らせください。
良い例:現在あなたがご家庭内、または携行して使用している除菌商品をお知らせください。

「誰について」「何を」聞いているのかが曖昧だと、回答者ごとに解釈が分かれ、正確なデータが得られません。

②期間の定義を明確にする

NG例:最近買ったことのあるブランド名をお知らせください。
良い例:直近3カ月以内に買ったことがあるブランド名をお知らせください。

「最近」の感覚は人によって異なるため、具体的な期間を明示することで回答精度が高まります。

③ダブルバーレル質問を避ける

NG例:あなたはこの商品の価格とデザインに満足していますか。
良い例:あなたはこの商品の価格に満足していますか。

1つの設問に2つ以上の論点を含めると、回答者がどちらについて答えているのか判断できなくなり、データの信頼性が損なわれます。

④誘導質問・バイアスを避ける

NG例:多くの方に支持されているこの商品について、あなたも満足していますか。
良い例:この商品についてどう思いますか。

特定の回答を誘導する表現は、調査の客観性を損ないます。中立的な言い回しを徹底しましょう。

⑤専門用語・略語を避ける

NG例:携帯キャリアのサービスに満足していますか。
良い例:携帯電話会社のサービスに満足していますか。

業務で日常的に使う言葉が、実は一般には伝わりにくい専門用語であるケースは少なくありません。中学生でも理解できる表現を意識しましょう。

質問の順番にも注意(キャリーオーバー効果)

前の質問が後の質問の回答に影響を与えてしまうことを「キャリーオーバー効果」と呼びます。例えば、商品の特徴を説明する質問の直後に購入意向を聞くと、回答者はその情報を踏まえて答えてしまい、純粋な意向を測れません。認知→購入経験→購入意向のように、時系列に沿った順番で聴取することが基本です。

選択肢はMECEに設計する)

選択肢は「重複がなく(Mutually Exclusive)」「考えられる回答を網羅している(Collectively Exhaustive)」状態、いわゆるMECEな設計を心がけましょう。選択肢が重複していると回答が分散し、抜け漏れがあると正確なデータが得られません。「その他」「あてはまるものはない」といった受け皿の選択肢も忘れずに用意します。

Step.04
アンケート調査の実施

調査票の作成が完了したら、実査と呼ばれるアンケート調査の実施を行います。実査で重要なのは、回答の品質を担保することです。不正な回答や誤った回答は除外し、有効な回答のみを目標の回答数まで回収することです。
リサーチ会社へ依頼したり、アンケートツールを使用したりする場合はアンケートシステム内で自動的に回答が収集できます。インタビューや店頭・会場調査などの場合、モデレーターやスタッフが予め定めた内容に従って調査を進めていきます。

Step.05
アンケート結果の集計/分析

集まった回答データを集計したり、統計的な分析や機械学習を行ったりします。調査目的に沿った集計・分析を行うことでデータから仮説を検証し、意思決定のための判断材料となる示唆を導きます。

アンケート結果の集計・分析では一定のデータ分析スキルが求められます。リサーチ会社では専用の集計ツールの用意や、オプションになることもありますがデータ分析を代行していますので、スキルやリソース的な観点から不安がある方はデータ分析も委託するのがおすすめです。


■集計方法
・単純集計(GT表)
全回答者を対象に、各質問の回答をそのまま数え上げる基本的な集計方法です。質問ごとの回答比率や人数を一覧化した表(GT表)を作成し、調査全体の傾向を大まかに把握するために用いられます。分析の出発点となる最も基礎的な集計です。

・クロス集計
性別・年代・利用有無など2つ以上の項目を掛け合わせて集計する方法です。属性やセグメントごとの回答傾向の違いを可視化でき、単純集計だけでは見えない特徴や課題を発見しやすくなります。

・自由記述集計
自由回答形式の設問に寄せられたテキスト回答を、内容の類似性に基づいて分類・整理する集計方法です。頻出キーワードの抽出やカテゴリ分けを行い、数値データだけでは捉えきれない生活者の生の声を定量的に把握します。

■分析方法
・因子分析
多数の質問項目の背後にある共通の要因(因子)を抽出する統計手法です。ブランドイメージや満足度など複数の評価項目を少数の潜在的な軸に整理し、消費者評価の構造を分かりやすく解釈できるようにします。

・主成分分析
多くの変数が持つ情報をできるだけ損なわずに、少数の合成変数(主成分)へ要約する分析手法です。データの全体像を俯瞰しやすくなり、複雑な調査項目をシンプルな軸で比較・可視化する際に活用します。

・クラスター分析
回答者や商品などを、似た特徴を持つグループ(クラスター)に分類する分析手法です。顧客セグメンテーションやターゲット層の特定に用いられ、グループごとに異なるニーズや傾向を明らかにします。

・決定木分析
目的変数(購入有無など)に影響を与える要因を、条件分岐のツリー構造で可視化する分析手法です。どの条件が結果を左右するかを段階的に把握でき、要因の優先順位や組み合わせが直感的に理解しやすくなります。

・GAP分析
「重視度」と「満足度」など2つの指標の差(ギャップ)を可視化し、優先的に改善すべき項目を特定する分析手法です。重視されているのに満足度が低い項目を洗い出し、施策の優先順位付けに役立てます。

・アソシエーション分析
「Aを購入した人はBも購入しやすい」といった、事象間の関連性やパターンを見出す分析手法です。併売傾向やセット提案の発見に用いられ、クロスセルや売場構成の検討などに活用されます。

Step.06
レポーティング/フィードバック

最終工程として、アンケート調査から得られた示唆をまとめた資料を作成し、関係各所へレポーティングとフィードバックをします。分析結果が何らかの施策やアクションに繋がる場合は誰が何をいつまでに実施するのかも検討し、成果に繋がるようにします。

アンケート調査の特徴と注意点

アンケート調査を行う際の特徴と注意点は次の通りです。

特徴
手法によって大量の回答を集められる
回答を集める期間が短い
コストが安い
注意点
調査設計次第で結果が異なる
回答の品質担保が難しい

アンケート調査の最大の特徴は、同一の質問に対して大量の回答を得られる点です。大量に回答を得られれば、その結果を数値データに変換して定量化し、統計的な評価や分析が可能になります。統計的な観点から調査対象となる群の傾向を把握したり、高度なデータ分析によって示唆を得たりすることで、ビジネスにおける適切な意思決定を下せるようになります。

一方、アンケート調査の最大の注意点としては、調査設計によって調査結果が異なるリスクが挙げられます。
対面での聞き取り調査のように、回答に応じて質問を変更することはできません。作成した調査票で全ての回答が集まります。そのため、調査設計の出来によって調査の成功/失敗は大きく左右されます。
アンケート調査では質問の微妙なニュアンスの違いで回答が大きく変わってしまうことは珍しくありません。適切な質問をしなければ適切な回答を得ることができず、誤った調査結果を基にビジネス上の重要な意思決定を下してしまう可能性がある点には注意が必要です。
アンケート調査によって受けられる価値を最大化し、デメリットを克服できるように調査設計から調査の実施、回答の分析までを一気通貫でサポートすることで、調査を成功に導くのが、アンケート調査を委託されるリサーチ会社の主な役割となります。

アンケート調査を成功させるには

アンケート調査を成功させるには、上記でも述べた適切な調査設計が最も重要です。調査設計をきちんと定義することで、調査の目的と予算・期間を考慮しつつ、調査対象者を選定し、最適な質問から適切な回答を集めることが可能です。アンケート調査を外部へ委託する場合、調査設計の巧みさがリサーチ会社の腕の見せ所となります。

アンケート調査は自社実施と委託どちらがよいか

アンケート調査の実施方法は大きく「自社実施(セルフ型)」と「リサーチ会社への委託」の2つに分かれます。どちらが適しているかは、調査の目的・規模・社内リソース・求めるデータ品質によって異なります。それぞれの特徴を比較して、自社に合った方法を選びましょう。

比較項目 自社実施(セルフ型ツール) リサーチ会社への委託
費用 低コスト(ツール利用料のみ) 数十万円〜(規模・内容による)
スピード 即日〜数日で開始可能 打ち合わせ・設計期間が必要
調査設計 自社で設計・変更が自由 専門リサーチャーが最適設計
回答者の確保 自社保有リストや会員に限定されやすい 大規模パネルから属性指定で即時確保
データ品質 不正回答の除外が難しい場合がある 品質管理の仕組みが整備されている
分析・レポート 自社で対応(スキルが必要) 専門家による高度な分析・レポートを提供
客観性 社内バイアスが入りやすい 第三者として客観的なデータを取得可能
ノウハウ蓄積 自社にノウハウが蓄積される 外注先に依存しやすい面がある

自社実施が向いているケース

社内アンケートや既存顧客向けの満足度調査など、目的がシンプルで対象者が既に確保できている場合は、クロス・マーケティングのセルフ型アンケートツール「QiQUMO(キクモ)」を活用することでコストを抑えてスピーディに実施できます。設問数や回答数に応じた従量課金制のため、小規模調査から試しやすい点も特徴です。

リサーチ会社への委託が向いているケース

新商品開発や市場参入の意思決定など、ビジネスに直結する重要な調査や、不特定多数の消費者を対象とした大規模調査、あるいは定性調査(グループインタビュー・デプスインタビュー)を伴う場合は、専門のリサーチャーへの委託が適しています。調査設計の精度が結果を大きく左右するため、初めてアンケート調査を行う方や、過去に社内実施で思うような結果が得られなかった経験がある方にも委託をお勧めします。

なお、「調査票の設計と実査はリサーチ会社に任せ、集計・分析は自社で行う」といった工程の分担も可能です。社内リソースと外部の専門性を組み合わせることで、コストと品質のバランスを取ることができます。

アンケート調査の活用事例

ネットリサーチとグループインタビューの調査手法を用いた活用事例として、自社・競合実態把握調査を行った場合にどのような結果が得られるのかをご紹介します。
自社・競合実態把握調査は自社・競合のユーザプロフィール、利用実態を把握し、自社の売上を支える顧客像を明らかにするとともに、競合からのスイッチを促し店舗の利用頻度、売上アップのための方策を見いだす調査手法です。
題材となるのはクロスバーガーという架空のハンバーガーショップで、自社・競合の利用者を明らかにし、どのような打ち手が可能になるのかご紹介します。主な調査手法はネットリサーチとグループインタビュー、主な調査対象は一定期間内におけるサービスの利用者です。

売上シェア(単価×頻度×人数)

売上シェアからは「単価・低×頻度・高」層が最も売り上げに貢献しており、属性は、「男性30代」が最も多いこともわかりました。なお、別分析から、この層の利用目的は「手早く食事を済ませたい」がトップでした。
これらから、売上に貢献しているのは、単価は低いものの高頻度に利用する人であり、「手早く食事を済ませたい」ニーズが高く、主な属性は「男性30代」といえます。

売上シェア(単価×頻度×人数)

 

「手早く食事を済ませたい」シーンにおける検討率

図の中心は自社の「クロスバーガー」で、矢印→は手早く食事を済ませたいシーンで候補になった競合です。矢印の近くにある数字は直近利用時に他社を候補にした割合です。(手早く食事を済ませたいシーンで、クロスバーガーを利用した人のうち、フライドチキン☆☆が候補だった人は3.2%)
「手早く食事を済ませたい」シーンでクロスバーガーを利用した人のうち、候補になった割合が高い競合は、「●●バーガー」と「■■コーヒーショップ」です。逆に、「●●バーガー」利用者も「クロスバーガー」を候補にする割合が高く、相互に競合関係といえます。流出を防ぐとともに、流入を促すことを目指すべきです。
一方で「■■コーヒーショップ」は「クロスバーガー」が候補になる割合が低く、一方的な競合です。流入のハードルが高いので、流出防止策を優先すべきだということがわかります。

「手早く食事を済ませたい」シーンにおける検討率

 

ランチ利用時におけるファストフード店重視度×店舗満足度

右上領域ではファストフードにおける重視度と、自社満足度が両方高い領域。自社の強みといえます。右下領域では重視度は高いのに、自社の満足度が低い領域。優先的に改善すべき点です。
ファストフードではメニューの豊富さや安さが重視される中、
「Cross・BURGER」はその満足度が高く、強みとなっています。一方で「クーポン・特典」は重視されているけれど満足度が低く、弱みといえます。
競合「●●バーガー」も同様に「クーポン・特典」の満足度が低く、自社も競合も取りこぼしていることがわかります。先んじて「クーポン」対策することで「●●バーガー」からの流入を促進できると考えられます。

ランチ利用時におけるファストフード店重視度×店舗満足度の図

ランチ利用時におけるファストフード店重視度×店舗満足度の図2

 

アンケート調査の費用相場——ネットリサーチ・グループインタビューの料金目安

アンケート調査を検討する中で、最も大きな制約が予算です。調査目的を達成するために必要なアンケート調査が実現できるかどうかは予算次第といっても過言ではありません。そこで、アンケート調査の料金体系と費用相場として、定量調査からネットリサーチ、定性調査からグループインタビューについてご紹介します。アンケート調査を進めるうえでどの程度の費用がかかり、どれくらいの予算を確保する必要があるか検討するためのご参考にしてみてください。

ネットリサーチの料金体系・費用相場

ネットリサーチはサンプル数と呼ばれる集める回答者の数と設問数で決まる料金体系が一般的です。
ネットリサーチにかかる費用=サンプル数×設問数×単価
下記のようなサンプル数と設問数に幅を持たせた料金表を掲載しているリサーチ会社が多く、ネットリサーチは相場を把握しやすい調査手法の一つです。概ね、300サンプル・20問では20万円~30万円が相場といえるでしょう。

設問数 サンプル数
100 300 500
10問まで 90,000円 140,000円 180,000円
20問まで 174,000円 230,000円 292,000円
30問まで 268,000円 340,000円 424,000円

また、ネットリサーチの料金体系をチェックするときは何が含まれており、何がオプションとなるか確認するようにしましょう。一般的に、分析業務・レポート作成はオプションであることが多いです。
クロス・マーケティングでは基本料金、画面作成・プログラミング料金、データ作成料金、ローデータ・単純集計表・調査画面HTMLの納品が含まれております。対象者を抽出するスクリーニングが条件によっては有料になることがありますので、お気軽にお問い合わせください。

グループインタビューの料金体系・費用相場

グループインタビューの料金体系は対応工数に基づく人件費をベースとした設定となっているのが一般的です。 主に発生する費用項目としては調査企画にかかる費用、調査対象者のリクルーティングにかかる費用、謝礼や交通費などの調査対象者に支払う費用や会場費などを含めた実査にかかる諸経費の3つに大別されます。

グループインタビューの費用 = 調査企画費用+リクルーティング費用+諸経費


調査企画費用は設問数やインタビュー時間とインタビューするグループ数や各グループの参加人数に応じて変動します。リクルーティング費用は調査対象者を集めるための条件と人数で変わります。諸経費も人数や利用する会場などによって決まります。

調査内容によって大きく変わるのがグループインタビューの費用であり、サンプル数と設問数でシステマチックに算出できるネットリサーチとは料金体系が大きく異なるのが特徴です。また、レポートが調査費用に含まれているリサーチ会社も少なくありません。グループインタビューの費用相場ですが、レポートや発言録の納品を含めて40万円~60万円を基準として提供しているリサーチ会社が多いです。

アンケート調査を依頼・委託するリサーチ会社の選び方

リサーチ会社を選ぶ際には、委託先選定の基本となるコスト・納期・品質という基準以外にもサポート体制や支援範囲をきちんと確認しておくことをおすすめします。
アンケート調査は企画から実行まで専門性が高い分野ですので、専門家であるプロのリサーチャーからの支援は欠かせません。予算内でどこまでサポートしてくれるのか、きちんと確認することでアンケート調査の失敗する可能性をぐっと下げることができます。
また、調査に関わる項目だけではなく、会社としての信頼性や実績もきちんと判断軸に加えるようにしましょう。不測の事態が発生したときに調査を成功させることができるのは、経験豊富なリサーチ会社です。
アンケート調査を依頼するリサーチ会社を選ぶための10のチェックリストをご用意しましたので、委託先を選定される際にご活用ください。

アンケート調査を依頼するリサーチ会社を選ぶ10のチェックリスト

予算内に収まる調査費用か、支援内容を調整して予算に収まるか

納期は間に合うか、間に合わない場合の代替策を提示してくれるか
レポート/報告書やデータなどの納品物の種類や品質は適正か
モニター数/属性から調査対象者を集められそうか
回答の品質を担保するための取り組みがきちんと行われているか
対応可能な調査手法が豊富で調査設計を支援してくれるか
高い分析能力を持ち、目的達成に向けた示唆出しを行ってくれるか
各種調査において支援が必要な工程でサポートしてくれるか
リサーチ事業の運営年数が長く、調査実績は豊富か
株式上場しているか、学会参加や受賞歴、メディア出演などはあるか

アンケート調査のご依頼ならクロス・マーケティングにお任せください

クロス・マーケティングでは、お客様の様々な調査ニーズにお応えするため、ネットリサーチを始めとして、豊富な市場調査メニューを取り揃えています。
また、各種の定量調査手法に加え、グローバルリサーチや定性調査、そして、流通現場での調査などを提供させていただいており、市場調査におけるお客様のよき相談相手として高く評価されています。

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各種の調査手法に対応
 
様々なマーケティングシーンで直面する課題の解決や、お客様の調査ニーズに対し、豊富なアンケート調査メニューを提供しています。
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プロのリサーチャーが分析し、
わかりやすいレポートを提供

アンケート結果の分析は、担当のリサーチャーが行います。多変量解析のみならず、お客様がお持ちのデータを合わせた分析も行っております。レポートは見やすくわかりやすくをモットーに、お客様ですぐに活用できる体裁のものをご提供します。
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初めての方でも安心できる、
一貫したサポート体制を実現


各種の調査手法に精通したリサーチャーが幅広い調査力をもって市場の理解や御社のご依頼に応じた最適な調査企画や結果分析をご提供します。担当者が企画・設計から報告まで対応、初めての方でも安心できるサポート体制です。
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精度の高いリクル ーティングと安定したフィールドワークオペレーションを実現

豊富なリクルート実績があり、Webモニター、機縁法などのリクルート方法を組み合わせて出現率の低い対象者もリクルートできます。当社直轄のコールセンターで詳細な条件確認を行い、リクルーティングの徹底したクオリティ管理を行い、実査においては、専門スタッフが高品質なフィールドワークオペレーションを実現しています。

よくある質問

アンケート調査の費用はどのくらいかかりますか?

ネットリサーチの場合、300サンプル・20問で20万〜30万円が相場です。 グループインタビューはレポート込みで40万〜60万円が目安となります。 詳しくは費用相場セクションをご覧ください。

調査会社に依頼するメリットは何ですか?

調査設計の専門知識・大規模なアンケートパネル・回答品質の管理・ データ分析とレポーティングを一貫して任せられる点です。 特に初回は設計ミスのリスクを避けるため、専門家への依頼をお勧めします。

調査結果が出るまでどのくらいかかりますか?

ネットリサーチは設計〜納品まで1〜2週間が目安です。 グループインタビューは3〜4週間程度かかります。

自分でアンケートを作成・実施することはできますか?

はい、セルフ型アンケートツールを使えば自社でも実施できます。クロス・マーケティングでは「QiQUMO(キクモ)」というセルフ型アンケートツールを提供しており、調査票の作成から回答の回収・集計まで自分で操作することが可能です。コストを抑えてスピーディに実施したい場合に適しています。一方、調査設計の専門知識が必要な調査や、大規模・高精度なデータが求められる場合はリサーチ会社への委託をお勧めします。

スクリーニング調査とは何ですか?

スクリーニング調査とは、本調査の前に実施する対象者の絞り込みのための事前調査です。「20〜40代の女性で、過去1年以内にスキンケア商品を購入した方」など、本調査に適した条件を満たす回答者のみを選別するために行います。出現率(条件に合う人の割合)が低いほどスクリーニングの費用が高くなる傾向があります。クロス・マーケティングでは条件によって費用が変わりますので、お気軽にお問い合わせください。

グループインタビューとデプスインタビューはどう違いますか?

グループインタビューは6〜8人を1グループとしてディスカッション形式で行う調査で、参加者同士の発言がきっかけとなり新たな示唆が得られやすい点が特徴です。一方、デプスインタビューはモデレーターと対象者が1対1で行う調査で、人前では話しにくいセンシティブなテーマや、一人の意識・行動を深く掘り下げたい場合に適しています。グループインタビューは一度に複数人から意見を収集できる効率性があり、デプスインタビューは個人の深層心理まで踏み込める深さが強みです。

アンケート調査の回答精度を高めるにはどうすればよいですか?

回答精度を高めるには、①質問文をシンプルかつ明確にする、②誘導的な表現を避ける、③設問数を絞り回答者の負担を減らす、④適切なスクリーニングで調査対象者を正確に絞り込む、の4点が重要です。また、回答品質の管理として、回答時間が極端に短いデータや一定パターンの不正回答を除外する仕組みも欠かせません。クロス・マーケティングでは調査票の設計段階からリサーチャーがサポートし、回答品質の担保まで一貫して対応しています。

アンケート調査のご依頼先をお探しでしたら、お気軽にお問い合わせください。
経験豊富なリサーチャーがフルサポートし、最適な調査プランをご提案します。

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