「バズる」とは?メリット、発生させるコツとリスクも解説
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SNSやインターネットの世界で、よく耳にする「バズる」という言葉。なんとなく知っていても、どんな意味があるのか、ビジネスシーンでどう活用するのかまでは知らない方も多いのではないでしょうか。今回は、デジタルマーケティング担当者として押さえておきたい「バズる」の基本知識やメリット、発生させるコツ、注意すべきリスクについてわかりやすく解説します。
「バズる」とはどういうこと?
「バズる」とは、SNSやインターネット上で特定の投稿や情報が急速に拡散され、大きな話題になることを指します。特にマーケティングにおいては、企業や商品の認知度を一気に高めるチャンスとして注目されている概念です。ここでは「バズる」の語源や、似た言葉との違いについて解説します。
「バズる」の語源
「バズる」という言葉は、英語の動詞「buzz(バズ)」が由来です。「buzz」には、ハチや機械がブンブンと音を立てる様子や、人々がざわざわと話題にする様子を表す意味があります。
そこから転じて、インターネット上で特定の情報や投稿が急速に広がり、多くの方に知られる状態を「バズる」と表現するようになりました。特に、SNS上での大規模な拡散を指します。
「バズる」と「炎上」は違う
「バズる」と「炎上」は似たように扱われることもありますが、意味は大きく異なります。バズるは、ポジティブな話題が広がる現象を指す一方、炎上は、批判や非難が集中しネガティブな注目を集める状態を指すのです。
また、バズると混同しやすい「バイラル」は「ウイルス性の」という意味を持つ英単語「viral」が語源で、コンテンツがウイルスに感染するように人から人へと伝わっていく様子を意味します。
バズるメリットとは
企業がSNSでバズることには、多くのメリットがあります。広告費をかけずに知名度を高めたり、新たな顧客層へアプローチしたりするきっかけになるため、マーケティング戦略のひとつとして活用する企業が増えているのです。ここでは、具体的なメリットを紹介します。
認知度がアップする
SNSで投稿がバズると、企業名や商品名が急速に多くの方に知られるようになります。特にX(旧:Twitter)でトレンド入りを果たせば、多くのユーザーが投稿を目にし、知名度アップにつながる大きなチャンスです。これまで認知度が低かった企業や商品でも、一気に話題になって拡散していくのが「バズる」ことの大きな魅力でしょう。
新規顧客獲得につながる
SNSでバズると、ターゲット外だったユーザーにも投稿が拡散されるため、新たな興味や関心を引き起こし、新規顧客の獲得につながる可能性が高まります。商品やサービスの認知が広がることで、思わぬ層からの反応や購入につながることも珍しくありません。
フォロワー数増加が見込める
SNSで投稿がバズると、多くのユーザーの目に触れる機会が増え、発信元であるアカウントの注目度も高まります。話題性のある投稿をきっかけに興味を持ったユーザーがフォローする流れが生まれ、結果としてフォロワー数の増加が期待できるでしょう。フォロワーが増えると、次回以降の情報発信の影響力もより大きくなります。
広告費を削減できる
SNSでバズれば、高額な広告費をかけなくても大きな宣伝効果が期待できます。SNSは、基本的に無料でアカウントを開設し投稿できるため、運用の工夫次第では少ないコストで多くのユーザーに情報を届けることが可能です。特に限られた予算で認知度向上を目指す企業にとって、バズることは効果的なマーケティング手法といえます。
バズるコンテンツの特徴
SNSでバズるには、拡散されやすいコンテンツの特徴を理解しておくことが大切です。多くの方が思わずシェアしたくなる投稿には、いくつかの共通点があります。ここでは、バズるコンテンツにみられる代表的な特徴を紹介します。
共感される
日常生活で誰もが感じることや身近なテーマは、多くの方に受け入れられやすく、シェアされやすい傾向があります。特に、動物や赤ちゃんの可愛いシーン、季節のあるあるネタなどは、幅広い層に共感を呼び、SNSで人気を集めやすい定番のコンテンツです。
意外性がある
バズるコンテンツには、意外性やギャップのある要素も欠かせません。予想を裏切る展開や思わず驚くような情報は、ユーザーの関心を引きやすく、何度も見返したくなる投稿になります。視聴回数やシェア数が伸びやすいのは、この「意外性」が強く働いている場合が多く、印象に残りやすいのも特徴です。
有益性が高い
便利グッズの紹介や生活に役立つ知識、お得な情報などは、多くの方が「シェアしたい」と感じる内容です。実用的で今すぐ役立つ情報は、自然と拡散されやすく、多くのユーザーの関心を集められます。
話題性がある
新しい情報や時事ネタは、SNSで注目されやすい代表的なコンテンツです。緊急ニュースや災害情報、今まさにブームになっている話題は、多くの方が関心を寄せるため拡散されやすい傾向があります。タイムリーな投稿は、ユーザーの興味を引きやすく、バズる大きなきっかけになるでしょう。
【SNS別】バズを発生させるコツ
SNSごとに、ユーザーの特徴や投稿の拡散方法には違いがあります。効率良くバズを狙うためには、各SNSの特性を理解し、それに合った発信方法を工夫することが大切です。ここでは、主要なSNS別にバズを発生させるコツを紹介します。
X(旧:Twitter)
X(旧:Twitter)でバズが発生する目安は、数日間で1万件以上リポストされることとされています。特に、多数のフォロワーを持つアカウントからリポストや引用リポストをされると、拡散力が高まりバズりやすくなるでしょう。
また、投稿する時間帯や曜日も重要です。ターゲットとするユーザー層の行動パターンに合わせて、最適なタイミングでポストするのが効果的です。
Instagramでバズを狙うには、「発見」タブへの掲載が重要なポイントです。多くのユーザーに保存されたり、投稿のホーム率(ユーザーが投稿をじっくり閲覧する割合)が高かったりすると、発見に表示される可能性が高まります。そのため、投稿内容だけでなく、アカウント全体の質の高さや信頼性を意識した運用が求められるのです。
TikTok
TikTokは動画が次々と流れていく特性があるため、最初の1秒でユーザーの心をつかむ工夫が重要です。視覚的なインパクトを盛り込みつつストーリー性のある内容にすると、最後まで見てもらいやすくなるでしょう。
さらに、コメント欄で積極的にユーザーと交流したり、投稿頻度を上げたりすることで、フォロワーとの関係性が深まり、バズにつながる可能性が高まります。
YouTube
YouTubeは他のSNSと比べてやや拡散性が低いため、YouTube単体でバズを生み出すのは難しいとされています。そのため、作成した動画をX(旧:Twitter)やInstagramなど、拡散力の高いSNSでシェアする工夫が効果的です。
バズるリスクと注意点
SNSでバズることは多くのメリットがある一方で、思わぬトラブルやリスクを招く可能性もあります。情報が一気に広がるからこそ、発信する内容や対応には細心の注意が必要です。ここでは、バズる主なリスクと注意点を解説します。
リスク1|炎上
SNSでバズると、必ずしも好意的な反応ばかりが集まるとは限りません。内容によっては批判や否定的なコメントが集中し、炎上につながるリスクもあります。
差別的な表現やハラスメントと受け取られる表現がないか、事前に十分なチェックが必要です。ただし、慎重に確認しても炎上リスクを完全に防ぐことは難しく、炎上後はアンチユーザーから繰り返し攻撃的な投稿を受ける可能性もあります。
リスク2|風評被害
バズることで注目が集まると、企業やブランドに関するさまざまな情報が一気に拡散されやすくなります。そのなかには、事実と異なる虚偽情報が広がるケースもあり、対応が難しくなることもあるのです。
情報が企業の管理範囲を超えて拡散すると、ブランドイメージの低下につながるおそれもあります。さらに、過度なバズ狙いと捉えられると、ユーザーから反発を受けるリスクもあるため注意が必要です。
まとめ
SNSでの「バズる」は、企業の認知度アップや新規顧客獲得につながる大きなチャンスです。一方で、炎上や風評被害といったリスクもあるため、慎重な運用が求められます。各SNSの特徴を理解し、適切な情報発信を心がけ、効果的なマーケティングにつなげていきましょう。