デジタルコンテンツとは?企業にとってのメリット・デメリットや販売方法も解説
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急速なITの普及により、デジタルコンテンツが当たり前の存在となった社会になっています。デジタルコンテンツは、企業にとってどのような魅力があるのでしょうか。今回は、デジタルコンテンツの販売方法と合わせて、メリットとデメリットについて解説します。
デジタルコンテンツとは何か
デジタルコンテンツとは、データとして提供されるコンテンツの総称です。本や雑誌などの紙媒体のように手で触れられる物理的な「モノ」ではなく、データ形式で消費されます。
近年、スマートフォンやインターネットの普及により、デジタルコンテンツは生活に欠かせない存在となっています。インターネット上で流通するコンテンツの多くが、デジタルコンテンツに該当します。
ここでは、デジタルコンテンツの仕組みと特徴、市場規模などを解説します。
デジタルコンテンツの仕組みと特徴
デジタルコンテンツは、音や文字、画像などの情報をデジタル信号に変換したものです。デジタル信号は0と1の組み合わせで構成されており、複製が容易にできるのが特徴です。また、デジタルデータは適切に保存・複製すれば劣化しないため、何度でも高品質のまま配信できます。
インターネットを通じた送受信やダウンロードも簡単に行えるため、アナログコンテンツと比べて、アクセスの利便性が格段に高いというメリットがあります。
デジタルコンテンツの市場
一般財団法人デジタルコンテンツ協会の「デジタルコンテンツ白書2024」によると、2023年の日本国内のコンテンツ産業の市場規模は13兆3,597億円でした。前年比102.3%と2年連続で過去最高を更新しています。
年々増え続けるさまざまなコンテンツの中でもデジタルコンテンツの市場は非常に大きく、10兆3,270億円と全体の77.3%を占めています。
デジタルコンテンツの市場は、今後も拡大することが予想されています。企業は、デジタルコンテンツを上手に取り入れながらマーケティング活動を行うことが求められます。
出典:一般財団法人デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2024」
https://www.dcaj.or.jp/project/dcwp/
アナログコンテンツと異なる点
アナログコンテンツは、書籍や雑誌など、実際に手で触れられるコンテンツの総称です。そのままの形ではインターネット上でやり取りできず、実物を手に取らなければ内容を確認できません。
一方、デジタルコンテンツは物理的な形を持たず、データとそれを表示・再生するデバイスがあれば、どこでも閲覧・利用できます。さらに、コピーやダウンロードが容易にでき、データの送受信も簡単に行えます。
アナログコンテンツとデジタルコンテンツは、形状だけでなく、利用環境や内容の確認方法にも違いがあります。デジタルコンテンツは柔軟に活用できる利点がある一方、再生や表示のためにデバイスが必須となる点には注意が必要です。
デジタルコンテンツの4つの種類
デジタルコンテンツにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、デジタルコンテンツの4つの種類を紹介します。
娯楽・芸術系
娯楽・芸術系のデジタルコンテンツには、多くの種類があります。書籍や漫画は電子書籍やオーディオブックとして提供され、音楽はストリーミングサービスやダウンロード形式で配信されるなど、非常に人気のあるジャンルです。
また、映像作品も配信サイトを通じてストリーミング再生やダウンロードが可能です。NetflixやAmazon Prime Videoなどのサービスに加入すれば、デバイスとインターネット環境があればどこでも視聴できます。手軽にアクセスでき、持ち運びも可能なため、多くの人が何らかのデジタルコンテンツを利用したことがあるでしょう。
素材系
写真やイラストなど、WebサイトのサムネイルやWebデザインに使用される素材も、デジタルコンテンツとして提供されています。
これらの素材には、利用料を支払ってダウンロードするものや、広告を視聴することにより無料で入手できるものがあります。特に、無料で提供される素材は、広告収入によって運営されているWebサイトが多いのが特徴です。
また、文書のフォーマットやデザインテンプレート、WordPressなどのCMS用テンプレートは、ビジネスシーンでも人気があります。Webサイトの構築や資料作成など、様々な用途で活用されており、幅広い分野での需要が高いデジタルコンテンツです。
情報・知識系
情報商材も、デジタルコンテンツのひとつとして提供されています。投資や資産運用のノウハウ、ダイエット方法、料理のレシピなどを電子書籍や音声コンテンツとして配信するケースが一般的です。
YouTubeで情報を発信する専門家もいますが、noteやオンラインサロンなどで販売されることもあります。近年では、自らの知識や経験をコンテンツ化し、収益化を目指す個人も増えています。誰でも自身の体験やノウハウを広く提供できる環境が整ってきているといえるでしょう。
コンテンツを使ったマーケティングについて知りたい方は、下記の記事をご参照ください。
「コンテンツマーケティングとは?事例や活用方法について解説!」
ゲーム・アプリ系
ゲームやアプリは、デジタルコンテンツ市場の中でも非常に重要な分野です。アプリゲームは、スマートフォンの普及にともない、めざましい発展を遂げています。家庭用ゲーム機でも、インターネット接続が可能なものが増え、ゲームをダウンロードすることで、ソフトがなくてもプレイできるようになりました。
ゲーム以外にも、ソフトウェアやフォントなどがデジタルコンテンツとして提供されています。インターネットに接続すれば、どこからでもダウンロードできるため、用途に応じて便利に活用できます。
企業におけるデジタルコンテンツのメリット・デメリット
デジタルコンテンツは、企業にとってどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。ここでは、5つのメリットと3つのデメリットを紹介します。
メリット
まずは5つのメリットを紹介します。
・利益率が高い
デジタルコンテンツは、データで販売するため、仕入や保管、配送などの経費がかかりません。販売コストが低いため、利益率が高いビジネスモデルといえます。
・初期費用が少ない
デジタルコンテンツを制作する手段として、無料または低コストで利用できるプラットフォームがあります。そのため、大きな投資をせずに始めることが可能です。初期費用を抑えられるため、比較的参入しやすい分野といえます。
・ 複製できる
デジタルコンテンツは、アナログコンテンツに比べて複製が容易です。さらに、基本的にはデータが劣化しないため、一度作成すれば繰り返し活用できます。ビジネスの自動化にもつながり、効率的に収益を得ることも可能です。
・在庫のリスクが少ない
デジタルコンテンツは、物品を販売するわけではないため、在庫を抱える必要がありません。不良在庫を抱えなくても済むため、置き場所に困らないのもメリットです。
・ビジネスとして始めやすい
デジタルコンテンツは参入障壁が低いため、ビジネスとして始めやすい分野です。デジタルコンテンツには、集客や販売などのマーケティングに欠かせない要素が詰め込まれています。マーケティングを一から学べるため、ビジネスを始めやすいのが利点です。
デメリット
ここでは、3つのデメリットを紹介します。
・コンテンツの制作に時間がかかる
デジタルコンテンツは、制作に時間がかかります。すでにあるものを販売するアナログコンテンツとは異なり、自分で最初から作り上げるため時間がかかってしまいます。スピードを上げても質が追いつかないおそれもあるので、バランスをとるのが難しいでしょう。
・全く利益にならないこともある
デジタルコンテンツは、参入障壁が低いためライバルが多い分野です。そのため、時間をかけて制作しても思ったように利益が上がらないことも多々あります。時間や労力が無駄になることがあるのはデメリットといえるでしょう。
・コピーされる可能性がある
デジタルコンテンツは複製して複数の媒体で発信できる利点がある一方、他者に容易にコピーされてしまうおそれがあります。デジタルコンテンツの無断複製を完全に防ぐのは難しいため、対策が必要です。
企業がデジタルコンテンツを販売する方法
企業がデジタルコンテンツを販売するにはどのような方法があるのでしょうか。ここでは、2つの販売方法を紹介します。
専用のサービスを使用する
初めてデジタルコンテンツを販売する場合は、既存のプラットフォームを利用するのがおすすめです。自社の基本情報を登録し、データをアップロードするだけで、簡単に販売環境を整えられます。
また、既存のプラットフォームはすでに一定の顧客を抱えていることが多く、集客力が高いのもメリットです。自社で営業しなくても、多くのユーザーにコンテンツを購入してもらえる可能性が高まります。
ただし、プラットフォームを利用するには手数料が発生します。さらに、独自のフォーマットに従ったり、運営ルールを厳守したりする必要があるため、自由度が制限される点には注意が必要です。
新しく自分で販売するサービスを作る
デジタルコンテンツをより自由に販売したい場合は、独自のサービスを立ち上げる方法があります。Web制作のスキルが必須ですが、既存のプラットフォームの制約を受けずに運営できるため、自由度が高いのがメリットです。
また、顧客と直接コミュニケーションが取りやすく、顧客満足度の向上も期待できます。ただし、サイトの構築には専門的な知識が求められます。制作だけでなく、集客や管理にもコストと時間がかかるため、ハードルが高い方法です。
まとめ
デジタルコンテンツは、現時点で市場の拡大を続けています。消費者の多様化するニーズに応じて、今後も新たなデジタルコンテンツが登場すると予想されています。
企業がデジタルコンテンツ分野に参入するメリットも多くあるため、マーケティングの勉強も兼ねて参入を検討するのもおすすめです。その際は、無断複製によるデメリットなども理解しながら取り組みましょう。