マーケティングリサーチ用語
サンプルとは
サンプルとは、英語の「sample」を語源とし、標本・見本・例・試供品などを指す言葉である。マーケティングリサーチや統計学の分野においては、母集団から抽出された一部の対象者やデータをサンプル(標本)と呼ぶ。このサンプルを用いて母集団全体の特性を推定する方法をサンプリングといい、抽出された個々の要素はサンプルポイントや観測値と呼ばれる。母集団全体を直接調査することは多くの場合非効率または不可能であるため、サンプル調査は研究や市場調査における基本的かつ重要な手法である。
一方、広告・セールスプロモーションの分野においては、消費者に商品やサービスを実際に体験してもらうために無料または低価格で提供される試供品や見本をサンプルと呼ぶ。食品、化粧品、日用品など幅広い分野で活用され、店頭やイベント、郵送、インターネットなど多様な方法で配布される。サンプル配布の目的は、品質や特徴を理解してもらい購買意欲を高めることであり、加えて企業は消費者からのフィードバックを得て新規顧客獲得につなげている。
さらに、科学実験や工業分野では、原材料や製品の一部を抽出して性質や品質を調べる試料のことをサンプルと呼ぶ。化学実験における少量の試料や、工業製品における抜き取り検査の対象などがこれにあたる。