指名検索とは?調べ方や検索数を増やす方法、対策手順を解説
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指名検索は、ユーザーの購買意欲が高い段階で発生する傾向があり、企業にとっては売上やコンバージョンにつながる重要な検索行動です。しかし、「どうやって指名検索を増やせばよいのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
今回は、指名検索の基本的な意味や検索数の調べ方、指名検索を増やすための施策について、わかりやすく解説します。ブランド認知度を高めたい方や、自社サイトへの集客を強化したい方はぜひ参考にしてみてください。
指名検索とは
指名検索とは、ユーザーが検索エンジンで特定の企業名、商品名、サービス名など、明確な対象を指定して検索する行為のことです。ユーザーがすでに興味や関心を持っており、「あの商品がほしい」「あの会社のサービス内容を知りたい」といった具体的な目的を持って行動しているのが特徴です。
例えば「ユニクロ ウルトラライトダウン」や「iPhone 16 Pro 価格」などが該当します。このような検索は購買や問い合わせに直結しやすく、企業にとっては価値の高い流入経路です。検索例としては下記のようなものがあります。
【検索例】
・ブランド名:無印良品
・商品名や品番:iPhone 16 Pro
・サービス名:U-NEXT
・サイト名:食べログ
・企業名や店舗名:スターバックス 渋谷店
・サイト名:食べログ
・企業名や店舗名:スターバックス 渋谷店
指名検索と一般検索との違い
一般検索とは、固有名詞を含まない検索方法を指します。一般検索では、ユーザーはまだ明確なブランドや商品を決めておらず、情報収集をしている段階であることがほとんどです。例えば「スニーカー おすすめ」「資産運用 初心者」といった検索は、広範囲の情報を得るためのもので競合も多く、ユーザーの意図も多様です。
一方、指名検索はユーザーの意図がはっきりしており、「その商品やサービスを見たい」「購入したい」「問い合わせたい」という行動につながりやすいのが大きな違いといえます。

指名検索数の調べ方
指名検索の効果を高めるためには、まず現状を正確に把握することが重要です。自社ブランドやサービスがどれだけ指名検索されているのかを知ることで、ファンの数やブランド認知度を客観的に判断できます。
また、検索されているキーワードの組み合わせを分析すれば、ユーザーのニーズや悩みを理解する手がかりにもなります。指名検索数を把握する方法は主に下記の2つです。
調べ方1|「Google キーワードプランナー」と「Search Console」を使う
「Google Search Console」と「Google キーワードプランナー」は、いずれも無料で使えるGoogle公式ツールです。
Google Search Consoleでは、自社のWebサイトが検索結果に表示された回数(インプレッション数)やクリック数、平均掲載順位などを細かく分析できます。「どの指名キーワードで流入しているか」を知るのにぴったりです。
一方、キーワードプランナーは広告出稿を前提としたツールですが、検索キーワードの月間検索ボリュームを調べるのに使えます。
調べ方2|キーワードリサーチツールを利用する
Googleのツール以外にも、指名検索数を把握するのに便利なのが、キーワードリサーチツールです。「ラッコキーワード」「Ubersuggest」など、無料で使えるものも多数あります。
これらのツールを使えば、自社ブランド名やサービス名がどのようなキーワードと一緒に検索されているのか、月間の検索回数はどれくらいか、さらには競合他社の指名検索状況まで調査できる場合があります。無料プランでもある程度の情報は取得できるため、まずは使い慣れるところから始めてみると良いでしょう。

指名検索を増やすメリット
指名検索が増えることは、企業やブランドにとって大きなメリットがあります。ここでは、指名検索がもたらすメリットについて4つの観点から解説します。
訪れるユーザーの増加が見込める
指名検索が増えれば、自社サイトへの訪問者数が自然と増加します。一般検索と違い、明確な目的を持ったユーザーが訪れることから、ページ滞在時間も長くなる傾向があります。
また、指名検索によるアクセスはリピーターも多く、繰り返し訪問してくれることで、サイト全体のパフォーマンスが向上しやすくなる点もメリットです。結果として、商品購入や資料請求、問い合わせなど、事業貢献につながります。
コンバージョン率アップにつながる
指名検索をするユーザーは、すでにそのブランドやサービスに対して強い関心を持っていることが多いため、購入や問い合わせといったコンバージョンに至る確率が高いといえます。
例えば、「〇〇株式会社 求人」と検索された場合は、転職意欲の高いユーザーが明確な目的を持って訪問していることがわかります。
検索アルゴリズムのアップデートの影響を受けにくい
Googleをはじめとする検索エンジンのアルゴリズムは定期的に更新され、自然検索の順位が大きく変動することがあります。しかし、指名検索の場合、ユーザーが直接ブランド名などで検索するため、順位変動の影響を受けにくく、安定的に自社サイトへ誘導できます。
ブランド・ロイヤリティ向上が期待できる
ユーザーが自発的に企業名や商品名を検索する行動は、そのブランドへの信頼や親しみを間接的に表しています。ブランドに対する愛着が高まれば、リピート購入や口コミによる拡散につながり、新規顧客の獲得に貢献します。

指名検索数を増やす方法
指名検索を増やすためには、ユーザーがブランド名やサービス名を自然と検索したくなるような環境を整えることが重要です。ここでは、指名検索数を増やすために実践したい具体的な方法を6つ紹介します。
ブランド・商材を指名検索されやすい名称にする
まずは、指名検索されやすい「名前」をつけることが重要です。キャッチーで耳に残るブランド名や、覚えやすく検索しやすいサービス名は、それだけで検索される確率が上がります。例えば、「○○ナビ」や「△△アシスト」など、語感がよく目的がわかりやすい名称は効果的です。
ブランド・商材の認知度を上げる
指名検索を促すには「その名前を知ってもらう」必要があります。広告出稿やキャンペーンの実施、プレスリリースの配信、メディア掲載などを通じて、広く名前を露出させましょう。オフラインのセミナーや展示会なども効果的です。
リスティング広告を活用する
検索結果ページの上位に表示されるリスティング広告は、認知度を上げる手段のひとつとして効果的です。自然検索よりも目立つ位置に表示され、クリック率を高められます。
関連記事:「SEMとは?SEOとリスティングの違いや選び方を解説」
SNSを活用する
SNSはブランドの認知度を高め、指名検索を誘発する強力なツールです。InstagramやX、TikTokなどでユーザーの目に触れる投稿を増やせば、「もっと詳しく知りたい」という検索行動につながります。また、ターゲット層に合わせたSNS広告を出すことで、興味を持ちやすい層にリーチできます。
さらに、インフルエンサーとのコラボや話題になる投稿を企画することで、自然な形で検索される機会を増やすことも可能です。
関連記事:「SNSとソーシャルメディアの違いとは?ビジネスにおける活用目的も解説」
公式サイトを上位表示するための対策を行う
指名検索された際に、公式サイトが上位に表示されるようにすることも重要です。SEO(検索エンジン最適化)を実施し、ブランド名やサービス名を含むページタイトルやディスクリプション(Webページの概要をまとめたテキスト)を最適化しましょう。また、Googleの推奨する構造化データ(Webページの構造をわかりやすく伝えるためにタグづけしたもの)の設定やモバイル対応など、基本的な技術面の強化も大切です。
高品質でユーザーの悩みに応えるコンテンツを定期的に更新することで、検索エンジンからの評価も高まり、上位表示を安定させられます。
オウンドメディアを運営する
公式サイトとは別に自社のオウンドメディアを立ち上げ、ユーザーにとって価値のある情報を発信し続けることで、ブランドへの興味を深めてもらうことが可能です。オウンドメディアでは指名検索につながるようなトピックを扱い、自社名を意識的に盛り込むことで、検索される機会が増加します。
さらに、ユーザーの悩みや関心に寄り添った記事を多く公開すれば、ブランドの信頼性や専門性も高まり、自然とファン化を促進できます。
関連記事:「オウンドメディア運用のポイント!コンテンツ設計や運用体制について」
指名検索対策の基本的な進め方
指名検索を狙ったSEOを実施する際は、やみくもにコンテンツを増やすのではなく、明確な手順を踏んで進めることが成功のポイントです。ここでは、指名検索を強化するための基本的な4つのステップを紹介します。
ステップ1|キーワードの洗い出し
まずは、ユーザーが実際に検索しそうな「指名系キーワード」を洗い出します。例えば「〇〇(ブランド名)+製品名」「〇〇(サービス名)+評判」「〇〇(店舗名)+営業時間」など、ブランド名と組み合わせて使われる具体的なキーワードがターゲットです。
ステップ2|キーワードの選定
次に、洗い出したキーワードの中から対策するキーワードを選定します。特に「検索されているにもかかわらず、自社サイトが上位に表示されていないキーワード」は重点的に取り組むと良いでしょう。また、意図しないページが上位に表示されている場合は、そのページをリライト(修正・改善)するのも効果的です。
ステップ3|新規記事作成や既存記事リライト
次に、選定したキーワードに対して、実際に新規記事の作成や既存記事のリライトを実施します。特にコンバージョンに直結する内容(料金、評判、導入事例など)から優先的に対応すると効果が出やすくなります。
リライトの際は、キーワードをタイトル・見出し・本文に自然に含めつつ、ユーザーの検索意図に正確に応える構成を心がけましょう。新規記事を作る場合も、ユーザーにとって有益な内容を軸に据えることが大切です。
ステップ4|内部リンクの設置
最後に、指名検索ワードを意識したアンカーテキスト(リンクの内容を表すテキスト)で内部リンクを設置することで、サイト全体のSEO効果を高めます。特に、検索意図に応じたページ同士を適切にリンクさせれば、ユーザーの回遊率や滞在時間も向上し、検索エンジンからの評価が高まります。
例えば「〇〇の評判はこちら」といった形で、自然にクリックを誘導できる表現を使うようにします。定期的にサイト構造を見直し、リンクの最適化を図りましょう。
まとめ
指名検索は一般的な情報収集とは異なり、コンバージョンに直結しやすいという大きな特徴があります。指名検索数を増やすことは、売上向上やリピーターの獲得、ブランド価値の向上につながる重要な施策です。SEOの中でも安定した効果が見込めるため、積極的に取り組んでみてください。
