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マーケティング戦略のデジタルシフト第3回 次なるステップはオンラインとテレビの連携

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藤原 尚也
ガシー・レンカー・ジャパン 株式会社
デジタルマーケティング部 シニアマネージャー

藤原 尚也

ニキビケア商品「プロアクティブ」のユーザーは10代から20代が圧倒的に多く、一方で購入しているのは40代が突出しています。10代のニキビに悩む子どものために親世代が購入しているという構造です。そのため、近年親子のコミュニケーションにも使われているLINEを2015年4月から使っています。

今後はLINEと動画の活用に注力

ニキビケア商品「プロアクティブ」のユーザーは10代から20代が圧倒的に多く、一方で購入しているのは40代が突出しています。10代のニキビに悩む子どものために親世代が購入しているという構造です。そのため、近年親子のコミュニケーションにも使われているLINEを2015年4月から使っています。

LINEの活用はスタンプではなく、プロアクティブのテレビCMに出られるオーディションキャンペーンという形をとりました。オーディションの実施後に話を聞くと、子どもが話題にして、そこから母親が登録したケースが多く、狙い通りの結果が出ていることがわかりました。販売も3カ月でCV(コンバージョン)数目標達成と、私たちとしては大成功だと評価しています。現在は、クリエイティブやオファーなどの新しい施策のA/Bテストを行いながら、継続して活用中です。
 
 
20151127_02 LINEでプロアクティブのCMに出られるオーディション企画を実施
 
 
今は新たにツイッターの動画に挑戦しようとしています。現状はテレビCMを加工して使っていますが、ツイッターユーザーに向けたオリジナルのものを制作中です。面白さでバズるだけではなく、そこからモノが売れるストーリーを組み立てたいと考えています。ターゲットに応じて、動画の内容や見せる場所を考慮して、刈り取りまでを形にしたものを2016年早々に展開予定です。さらには動画をオンラインから地上波テレビへと波及させ、コンバージョンにつなげていく仕組みづくりも進めようとしています。

こうした新しい取り組みについては、CPO(Cost Per Order=注文獲得単価)を評価指標としており、新規の取り組みについてはLTVを踏まえたターゲット設定を目安にしています。もっとも、実際のCPOがこの数字を大きく上回ったとしてもすぐストップするとは限りません。何かを改善すれば下げられると感じるものについては、再度テストしてみることもよくあります。

キャンペーンの数値は社外パートナーにも開示

こうした数値は、パートナーとして仕事をする広告会社などにもオープンにしています。まず目標を提示して、すぐに到達しなくても、段階を踏めばそこへ近づける要素が見つけられるようなストーリーを求めていると伝えています。CPOだけではなく、CTR(Click Through Rate=クリック率)など他の指標も同様です。私たちよりも持っている情報が少ないのに、成果の上がる企画は出せないと考えているからです。数値を見た上で、それぞれのパートナーが「自分たちならこういう数字を出せます」、「こういう展開にできます」と提示された方が、私たちも納得できます。本当に我々に合った企画を提案してもらうために、必要な情報を提供することは欠かせないと考えています。

社内の仕事の進め方をめぐっては、なるべく現場の判断に任せるようにしています。「こうしたい」という提案が来たときに、アドバイスや修正指示をしたくなる気持ちはありますが、実施前にそれをしてしまうとせっかくの自主性を削いでしまうことになります。まずやってみて、うまくいかなかったときにその原因や改善点を考えてもらうことが成長につながると考えています。そうなった段階ではじめて、こちらの考えを提案するようにしています。言われてやるのではなく、自分で理解して、判断して、実行するべきだと思っています。

今後は、ツイッターの動画はもちろん、LINEで公開している10ページくらいのマンガをツイッターやフェイスブックなどへ横展開していきたいと考えています。広告やランディングページに一部を切り出してプロモーションに活用し、そこから売るというスキームをつくっていきます。さまざまなデジタル施策を通して、今後も多くの方にプロアクティブのユーザーになってもらいたいと考えています。
 
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 動画やマンガなどのコンテンツをプロモーションに活用していく

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