IPビジネスとは?展開するメリットとデメリット、成功へのステップを解説
公開日:
知的財産を活用したIPビジネスは、世界的に市場を拡大しています。自社でIPビジネスを展開するには、どのような方法があるのか、興味がある方もいるでしょう。今回は、IPビジネスの収益化モデルや、メリット・デメリット、成功に向けたステップを解説します。
IPビジネスとは?
まず、IPビジネスとはどのようなビジネスか、基礎知識から解説します。
そもそもIP(知的財産)とは何か?
知的財産(Intellectual Property:IP)とは、人間の創造性から生まれた独創的なアイデアや表現のことです。知的財産には知的財産権があり、以下のような権利によって法的に保護されています。これらは権利者に無断で利用することはできません。
・小説や音楽、映画、イラストなど:著作権
・新しい技術や発明など:特許権
・ロゴやブランド名など:商標権
・デザインや装飾など:意匠権
IPビジネスとは何か?
IPビジネスとは、知的財産を活用して収益を生み出すビジネスモデルを指します。キャラクター、映画、ゲーム、音楽、ブランドなど独自のコンテンツやデザインを活用したライセンス契約や商品販売、イベント運営などを通じて収益化を図ります。

IPビジネスの収益化モデル
IPビジネスの収益化モデルは、何を販売するかによって大きく3つに分類できます。
コンテンツ販売
コンテンツ販売は、自社が保有するIPを活用したコンテンツを制作、販売することで収益を得るビジネスモデルです。
代表的なものとしては、自社で制作したアニメやゲーム、漫画などの作品の販売があげられます。ほかにも作品のグッズやデジタル商品などの販売のほか、イベントなどへ展開することも可能です。
ライセンス販売
ライセンス販売は、自社が保有するIPを他社に利用してもらい、ライセンスフィー(ロイヤリティ収入)を得るビジネスモデルです。
自社のコンテンツやキャラクターの使用権を、商品開発や広告、イベントなどを手がける他企業に提供し、代わりに収益の一部を受け取る仕組みです。自社で商品展開を行うコストやリスクを抑えながら、収益を得られます。
ノウハウ販売
自社が持つ制作や製造に関する技術、知識といったノウハウを販売することによって収益を得るビジネスモデルです。
独自に開発した製造技術や特許技術、制作の手法、知見などをマニュアル化して販売したり、コンサルティングで提供したりといった方法が取れます。

IPビジネスを展開するメリット
IPビジネスには、ほかのビジネスにはないメリットがあり、企業の競争力を高め、長期的な収益源となる可能性があります。ここからは、キャラクターや作品などを中心としたIPビジネスを展開するメリットを紹介します。
多様な収益源を確保できる
コンテンツ販売・ライセンス販売・ノウハウ販売と、同じIPで複数の収益化モデルを展開できるほか、メディアミックスや異業種とのコラボレーションなども可能です。事業を拡大しやすく、多様な収益源を確保できます。
長期的なビジネスに育てられる
人気となったIPには多くのファンが付きます。その結果、グッズ購入やイベント参加、続編やスピンオフへの期待など、継続的な需要が発生します。また、長期的に応援するファンも出てくるため、長期間にわたる収益性が期待できるビジネスに育てられます。
ブランディング効果が期待できる
IPの露出が増えれば、キャラクターを目にするだけで自社の商品やサービスを連想する、というような人も増えます。他社との差別化を図る際に役立ち、ブランディングに寄与する点も大きなメリットです。
ブランディングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
「ブランディングはマーケティングとどう違う?それぞれの役割や関連性をご紹介」
新たな市場開拓につながる
IPビジネスで知的財産の二次利用・三次利用が進むことは、新しい市場の開拓にもつながります。
例えば、アニメで人気のキャラクターをゲーム化すれば、ゲームユーザー層へのアプローチが可能になります。漫画を映画化すれば、漫画を目にしない映画ファンにも作品が広まったり、これまで映画を見なかった層が映画館に足を運ぶきっかけになったりする可能性があります。
アニメやゲームなどのキャラクターをパチンコ台に起用することも、双方の市場拡大につながるでしょう。

IPビジネスを展開するデメリット
IPビジネスは可能性の大きなビジネスですが、デメリットもあります。事業の展開は、デメリットを踏まえた上で検討しましょう。
収益化までに時間がかかる
IPビジネスは、収益化までに時間がかかり、短期的な利益は期待できません。IPの人気が出るまで育てなければならず、ファンとのコミュニケーションを強化するさまざまな施策が必要になります。
また、アニメやゲーム作品は流行に左右されやすい性質があります。長期的なファンを獲得するための戦略的な展開も求められます。
IPの管理に手間がかかる
IPビジネスを展開するにあたっては、IPの管理に手間がかかることも認識しておかなければなりません。他社にライセンスを供与する際には、権利関係の調整や契約書の管理、供与先の信用性のチェックなどが必要です。
また、自社がコンテンツを販売する場合には、権利侵害を起こしていないかも精査しなければなりません。専門的な知識が求められることも多く、社内で対応できない場合には、専門家へ依頼する必要が出てきます。
海賊版として悪用されるおそれがある
IPを無視した海賊版が作られるリスクがあることもデメリットです。海賊版が出回った場合、自社に入るはずの利益が得られなくなります。また、海賊版のクオリティや利用方法によっては、作品やキャラクターのイメージが損なわれるおそれもあります。
IPビジネス成功へのステップ
IPビジネスを成功させるには、戦略的な展開がポイントになります。以下の要素を総合的に考慮しましょう。
1.魅力的なIPの創出
IPビジネスの成功に欠かせないのは、多くの人に長く愛されるIPの創出です。ストーリー性、キャラクターの魅力、オリジナリティを重視して設計します。
2.権利の法的な保護
IPビジネスでは、著作権、商標権などの知的財産権を適切に管理し、権利を確立することが重要です。権利侵害を防ぎ、ビジネスを安全に展開するには、弁理士などの専門家のサポート体制を整えておくのが有効です。
3.ターゲット層の明確化
長期的なファンを獲得できるIPを開発するには、ターゲット層のニーズや興味を理解し、それに合ったIPを展開することが重要です。若年層向けにはトレンド性やSNSでの話題性を、コアなファン層には深い世界観やストーリー性を意識すると効果的です。
ターゲティングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
「ターゲティングとは?メリットや設定方法・役立つフレームワークを紹介」
4.メディアミックス戦略の展開
IPを広めるには、アニメ、映画、ゲームなど複数のメディアを組み合わせ、相乗効果を生み出すことが重要です。各メディアの特性を活かし、ファン体験を向上させることで、IPの価値を高めていきます。
5.継続的な育成
IPビジネスはすぐに結果が出るものではないため、長期的な視点でIPを育成し、時代の変化や市場のニーズに対応することが重要です。ファンとの共創や、新たな価値の創出を継続的に行うことで、IPの魅力を高めていく必要があります。
6.海外展開
IPビジネスは国内だけでなく、海外も重要な市場です。海外展開を視野に入れ、戦略的に計画を立てていきます。現地の法規制や文化に配慮し、国際的な権利保護を強化しましょう。
まとめ
知的財産を用いて収益化するIPビジネスには、ビジネスの多角化や市場開拓につながるだけでなく、ブランディング効果など多くのメリットがあります。長期的な収益拡大にもつながるため、参入を検討してみる価値は大いにあるといえるでしょう。


