新トレンドワード「ウェルパ」とは?注目の背景や商品例を紹介
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近年、「コスパ」や「タイパ」といった効率重視の価値観が浸透する一方で、新たな消費トレンドとして「ウェルパ」という言葉が注目を集めています。ウェルパとは「ウェルビーイング・パフォーマンス」の略であり、時間や金銭に対してどれだけの心身の満足感や幸福が得られるかを重視する考え方です。今回は、ウェルパの定義や注目される背景、具体的な商品例、そして関連する食市場のトレンドまで詳しく解説します。
ウェルパとは
ウェルパとは「ウェルビーイング・パフォーマンス(Well-being Performance)」の略称で、近年「コスパ」や「タイパ」に続く新しいトレンドワードとして注目されている言葉です。
この概念は、消費した時間や金銭に対して、どの程度の身体的・精神的な満足感や幸福(ウェルビーイング)が得られるかという成果(パフォーマンス)を求める考え方を指します。
従来の「コストパフォーマンス(費用対効果)」や「タイムパフォーマンス(時間対効果)」が効率性を重視していたのに対し、ウェルパは効率性だけでなく、その行動や消費がもたらす心身の充実感や幸福度を評価指標として捉えている点が特徴です。
ウェルパが注目されている背景
ここでは、ウェルパが注目されている主な背景について詳しくみていきましょう。
「効率」から「質・幸福」への価値観の転換
長年にわたり、多くの消費者は「コスパ」や「タイパ」といった効率性を重視し、限られた時間や予算の中でいかに多くの成果を得るかを追求してきました。
しかし、効率だけを求めた結果、心身の疲労や精神的な空虚さを感じる人が増えてきたという現実があります。忙しい日々の中で時短を優先するあまり、食事の味わいや人との交流といった本来大切にすべき体験が犠牲になり、生活の質そのものが低下してしまうケースも少なくありません。
こうした反省から、効率性だけでなく、その行動がもたらす精神的な満足感や幸福を重視する傾向が強まってきました。効率を追求する生活スタイルから、心身ともに満たされる「質の高い生活」へと価値観がシフトしていることが、ウェルパという概念が生まれた大きな背景となっています。
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Z世代を中心とした価値観の変化
ウェルパ志向が特に顕著に見られるのが、Z世代と呼ばれる若年層です。Z世代はデジタルネイティブであり、情報収集や効率化に長けている世代です。彼らは「タイパ」を重視すると同時に、多様な価値観や「自分らしさ」を大切にする傾向が非常に強いという特徴があります。
また、SNSを通じて多様な価値観に触れる機会が多いZ世代は、画一的な「正解」ではなく、個々人の幸福や充実感を大切にする文化を形成しています。
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社会的な健康意識の高まり
働き方改革の推進や新型コロナウイルス感染症の拡大、SDGsといった社会的な動きの中で、個人や企業の間で心身の健康や充実した生活を送ることの重要性が再認識されました。
特にパンデミックを経験したことで、多くの人が自分の健康や生活の質について深く考える機会を得ました。在宅勤務が増えたことで仕事と生活のバランスを見直す動きが加速し、長時間働くことよりも、いかに心身ともに健康的で充実した時間を過ごすかが重視されるようになっています。
企業の経営戦略としての注目
ウェルパやウェルビーイングは、消費者トレンドとしてだけでなく、企業の経営戦略としても大きな注目を集めています。
従業員のウェルビーイングを高めることは、モチベーションアップや労働生産性の向上、離職率の低下、人材確保にもつながることが多くの研究で明らかになっています。心身ともに健康で満たされた従業員は、創造性や問題解決能力が高まり、組織全体のパフォーマンス向上に貢献します。
こうした背景から、多くの企業が経営戦略として「ウェルビーイング」の実現に積極的に取り組んでいます。
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ウェルパ志向のユーザーを意識した商品の例
ウェルパ志向の消費者は、安い・早いだけでなく、心身の満足感や幸福感を得られる商品を求めています。特に食品分野では、健康や環境への配慮、精神的な充足感をもたらす商品が続々と登場しています。
高たんぱく食品
高たんぱく食品は、ウェルパ志向の消費者から高い支持を得ている商品カテゴリーのひとつです。
ユーザーは効率的にたんぱく質を摂取することで、健康的な体づくりや運動後のリカバリーを実現し、「理想の自分」に近づいているという満足感を得られます。手軽に摂取できるため、忙しい中でも健康管理を怠っていないという精神的な充足感にもつながる点が大きな魅力です。
具体的な商品としては、プロテインバー、プロテインドリンク、高たんぱく質のヨーグルトやサラダチキンなどがあげられます。
腸活スープ
腸内環境を整える「腸活」は、体全体の健康や免疫力向上につながるとされており、ウェルパ志向の消費者にとって魅力的なテーマとなっています。
ユーザーは温かいスープで手軽に腸活を行うことで、身体の内側から健康になっているという実感や、自分自身の体をいたわっているという幸福感を得られます。特に腸活スープは、忙しい日常の中でも取り入れやすく、食事の時間が自己ケアの時間として機能する点が評価されています。
具体的には、食物繊維や発酵食品(味噌、キムチなど)を活用したレトルトスープ、フリーズドライスープなどが代表例です。
代替食品(大豆ミートなど)を活用したメニュー
代替食品を活用したメニューは、健康志向だけでなく、環境問題や動物福祉に関心が高いユーザーの倫理的価値観を満たす商品として注目されています。
食事を通じて社会貢献しているという意識や、新しいライフスタイルを取り入れているという満足感が得られる点が、ウェルパ志向の消費者に響いています。自分の選択が地球環境や動物の福祉に配慮したものであるという認識は、精神的な充足感を大きく高めます。
具体的には、大豆ミートのハンバーグやから揚げ、植物性ミルク(アーモンドミルク、オーツミルク)を使用した飲料などがあります。
ストレス軽減に役立つ栄養ドリンク・機能性表示食品
日常生活や仕事のストレスが多い現代において、手軽な摂取で「ストレス軽減」「睡眠の質向上」といった具体的な効果が期待できる商品は、ウェルパ志向の消費者から強く支持されています。
精神的な健康をサポートすることで、心身のバランスを保ちたいというニーズに応える商品として、GABA(ギャバ)やテアニンなどの機能性関与成分を配合した飲料やサプリメントがあげられます。
有名店や有名シェフが監修したレトルト食品
有名店や有名シェフが監修したレトルト食品は、外食する時間や手間をかけずに、自宅で「本格的な味」や「非日常的な体験」を手軽に楽しめる商品として人気を集めています。
具体的には、ミシュラン星付きレストラン監修のカレー、有名シェフのパスタソースなどがあります。これらの商品は、時短という「タイパ」と、特別な食体験がもたらす「幸福感」を両立させることで、高いウェルパを実現しています。
ウェルパ以外の食市場のトレンドは?
ウェルパは現在注目される消費トレンドのひとつですが、食市場にはほかにも興味深いトレンドが存在します。これらのトレンドは、消費者の多様化するニーズや価値観を反映しており、ウェルパと並行して、あるいは相互に関連しながら市場を形成しています。
プロパ
プロパとは「プロセスパフォーマンス(Process Performance)」の略で、単に時短(タイパ)を求めるだけでなく、料理や飲食の「過程(プロセス)そのものを楽しむこと」に価値を見出す消費行動や価値観を指します。
面倒すぎず、でも「自分で作った感」や「達成感」が得られる「ちょっとした手間、0.5手間」が求められる点が特徴です。完全に調理済みの食品ではなく、最後の仕上げや味付けを自分で行うことで、料理への参加感や創造性を味わえる商品が支持されています。
具体的には、「ひと手間」加えるだけで手作り感と時短を両立する冷凍食品(例:セブンプレミアム クックイックシリーズ)や、自分で炭酸水と割ったり濃さを調整したりするプロセスを楽しむ希釈飲料などがあります。
五感消費
五感消費とは、味覚だけでなく視覚・聴覚・嗅覚・触覚といった五感を総合的に刺激することで、消費者に深く印象に残る「体験」を提供し、価値を高める消費行動を指します。
例えば視覚では、SNS映えするカラフルな料理やモノクロの世界観を演出するメニューなど、写真に撮りたくなるような見た目の工夫が施されています。聴覚では、「ザクザク」「ふわふわ」といった食感の音(ASMR)、調理音、BGMなど、音で楽しませる工夫が取り入れられています。
Wシニア市場
Wシニア市場とは、60代後半から70代のアクティブシニア夫婦層(ダブルシニア)をターゲットとした消費市場を指します。
時間的・経済的な余裕があるため、夫婦で時間とお金を楽しむ消費スタイルが特徴的です。この世代は、質の高い体験や健康に配慮した商品を求める傾向が強く、見た目、香り、食感、音など、五感全体で楽しむ体験を重要視する傾向があります。
そのため、Wシニア層をしっかり捉えることが、飲食店や食品メーカーにとって平日売上・リピート率・単価アップにつながる重要なポイントとなっています。
まとめ
ウェルパ(ウェルビーイング・パフォーマンス)は、心身の満足感や幸福を重視する新しい消費トレンドとして注目されています。
ウェルパ志向の消費者に響く商品が続々と登場しているほか、プロパ(プロセスパフォーマンス)や五感消費、Wシニア市場といった関連トレンドも、消費者の多様化するニーズを反映しながら市場を形成しています。
ウェルパという概念を理解し、ターゲット層の価値観に合わせた商品開発やプロモーション戦略を展開することが、企業の競争力強化において重要なポイントとなるでしょう。
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