ショート動画は市場規模が急拡大!その理由、企業のメリット、活用のコツを解説
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高い人気が続くショート動画。特に収益化ができるようになってからは、急速に市場規模が拡大しました。そこで今回は、企業がショート動画をマーケティングに活用するメリットや、成功させるポイントなどについて解説します。
ショート動画の市場規模
従来のマスコミ四媒体広告費(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)が伸び悩む中、インターネット広告は順調に売上を伸ばしています。インターネット広告にはリスティング広告やSNS広告などいろいろな種類がありますが、映像と音声を同時に届けられる動画広告も人気です。
2024年には、日本国内における動画広告市場が7,249億円に達しました。前年比115.9%と好調です。また、動画広告の中でも「縦型ショート動画広告」の人気が高まっており、2024年の市場規模は900億円、前年比171.1%という驚異的な伸びを記録しました。
出典:サイバーエージェント「2024年国内動画広告の市場調査」
https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=31459
ショート動画の市場規模が拡大している背景
ショート動画がこれほど普及した背景には、何があるのでしょうか。ここでは、ショート動画の急速な市場拡大の理由を解説します。
スマートフォンとの相性が良い
日本ではスマートフォンが幅広く普及しています。「令和6年版 情報通信白書」によると、2023年のスマートフォンの世帯保有率は90.6%に達しています。
縦型・短尺のショート動画は、これだけ多くの方が使っているスマートフォンと非常に相性が良いのが特徴です。操作しやすく気軽に視聴できるため、一気に拡大したと考えられます。

出典:総務省「令和6年版 情報通信白書」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/pdf/00zentai.pdf
タイパが良い
仕事や家事育児、介護などで忙しいユーザーは、情報収集やエンタメにも「タイパ(タイムパフォーマンス=時間対効果)の良さ」を求める傾向にあります。ショート動画は十数秒で終わるものも多く、限られた時間内にサッと視聴できるため、忙しいユーザーに受け入れられています。
主要プラットフォームが推進
SNSの利用が拡大し、主要なプラットフォームがショート動画を推進したことも、ショート動画の人気が高まった理由のひとつです。YouTubeショートやInstagramのリール、TikTokなど、各プラットフォームが独自のショート動画機能を実装しており、気軽に投稿・視聴できるように後押ししています。
ショート動画を企業が活用するメリット
ショート動画の人気に注目してはいるものの、「企業が制作する意味はあるのか」と疑問に思う方もいるかもしれません。そこで、企業にとってのショート動画活用のメリットを紹介します。
視聴者の関心を引きやすい
ショート動画はスマートフォンの画面に大きく表示されます。また、映像と音声を同時に届けられるため、短い時間に詰め込める情報量が多いのが特徴です。さらに視聴時間が短く途中で集中力が切れにくいので、視聴者の関心を引いたり心をつかんだりしやすいというメリットがあります。
関連記事:「TikTokユーザーの年齢層や特徴は?ビジネスで活用するポイントと注意点を紹介」
低コストで簡単に制作できる
長尺動画の制作は手間がかかる作業であり、それなりのコストもかかります。金銭面はもちろん、多くの人的リソースを割くことになるでしょう。動画の制作会社に依頼する手もありますが、やはり費用がかかります。
一方、ショート動画は長尺動画と比較して、コストもリソースも抑えられるのが一般的です。スマートフォンで撮影して編集することも可能であるため、機材などにかかるコストも抑えられます。
SNSで拡散されやすい
一般的にショート動画は、SNSのプラットフォームに投稿します。視聴した動画に関心や興味があれば気軽に共有できるため、SNSで拡散されて話題になる可能性があるのも魅力です。
また、SNSではアルゴリズムにより、人気の動画や興味がありそうな動画がおすすめとして表示されるため、ターゲットに届きやすいのが特徴です。
エンゲージメント率が高い
エンゲージメント率の高さもショート動画のメリットです。SNSのエンゲージメントとは、投稿へのコメント、いいね、リポストなどの反応を指します。
もともとSNSはユーザーが気軽に反応しやすいのですが、なかでもショート動画は繰り返し視聴が期待でき、さらに視聴完了率も高くなりやすいため、エンゲージメント率が上がりやすいのが特徴です。エンゲージメントが高まれば、ユーザーが何に関心があるのかを判断しやすくなるだけでなく、情報が拡散されやすくなります。
関連記事:「TikTokを企業で活用する方法|活用事例やメリットも解説」

ショート動画活用を成功させるポイント
ただショート動画を制作・配信しても、うまくいかずに終わる可能性があります。ショート動画活用を成功させるために、ここで紹介する4つのポイントを押さえておきましょう。
適切なジャンル・プラットフォームを選んで発信する
ショート動画活用を成功させるには、動画の内容やターゲットに合ったジャンルやプラットフォームを選ぶことが重要です。
SNSなどのプラットフォームでは、アルゴリズムによってユーザーの興味関心や視聴履歴を分析して表示する動画を選んでいます。ジャンルを絞っておけば関連タグを選定しやすくなり、おすすめの精度が上がるため、自社の製品やサービスへの関心が高いユーザーにリーチしやすくなるのです。
また、関心が高いショート動画が流れてくると、ユーザーはいいねやコメントなどのアクションを取ることが増えます。するとアルゴリズム上でより多くおすすめに上がるようになり、広く拡散されやすくなるプラスのサイクルにつながります。同時に相互リポストを行ったりコラボ企画を立案したりして、認知度を高めることも重要です。
プラットフォームによって傾向や視聴者層などが異なる点も忘れてはいけません。ショート動画を効率良く活用するためには、プラットフォームごとの特徴を把握し、それに合ったショート動画を作ることが大切です。
ただし、プラットフォームごとにショート動画を作り直していては、非常に手間がかかります。「そこまでリソースを割けない」という場合は、1本のショート動画をプラットフォーム別に最適化すると良いでしょう。
プラットフォームの使い分けの考え方については、こちらの記事をご覧ください。
「Youtubeショート・TikTokの使い分け、有効活用について」
冒頭で視聴者をつかむ
多くのユーザーは、動画の冒頭3秒でそのまま視聴を続けるかどうかを判断するといわれています。ここで関心をもってもらえないと、すぐに離脱されてしまうため、製品・サービスの情報や魅力を伝えきれません。
興味をそそるタイトルをつける、冒頭にアニメーションを取り入れる、刺さるキャッチコピーを入れるなど、離脱されないための工夫が必要です。
インタラクティブな仕掛けを入れる
先述の通り、ショート動画を多くの人々に拡散するには、プラットフォームのアルゴリズムにおすすめすべき動画と判断してもらう必要があります。ここで役に立つのが、ユーザーからのいいねやコメント、共有などのエンゲージメントです。
YouTubeショートやTikTokに実装されているコメント機能、Instagramのリールに搭載されている投票ステッカー、Q&A機能なども活用して、エンゲージメント率向上を目指しましょう。
オーガニックコンテンツに馴染ませる
縦型のショート動画広告は、オーガニックコンテンツの合間に流れます。ここでオーガニックコンテンツとかけ離れた、「いかにも広告」といった動画が流れると、ユーザーはあっさりとスキップしてしまいます。
演出や編集を工夫して、UGC(ユーザー生成コンテンツ)のような雰囲気に仕上げ、オーガニックコンテンツとの差を出しすぎないようにしましょう。

まとめ
スマートフォンとの相性の良さやタイパの良さなどの理由で、近年急速に市場規模が拡大しているショート動画は、企業の宣伝や認知度アップにも役立ちます。YouTubeやTikTokなどの主要なプラットフォームもショート動画を推進しているので、マーケティングで活用してみてはいかがでしょうか。
ただし、多くの人々に見てもらうには、一定の戦略性が必要です。自社の製品やサービスに合う適切なジャンルとプラットフォームを選ぶ、冒頭で興味を引くなどのポイントを意識して、ショート動画活用を成功に導きましょう。


