エゴサ（エゴサーチ）とは、自分や自社、商品やサービスの名前をインターネットで検索し、世間からどのように評価されているのかを調べる行為です。芸能人や個人だけでなく、多くの企業がマーケティングや評判管理の手段として活用しています。今回はエゴサのやり方や有効活用するコツを紹介します。
エゴサ（エゴサーチ）とは
エゴサーチとは、個人や企業が自分の名前やブランド、商品・サービスについてインターネット上で検索し、世間からどのように評価されているのかを調べる行為を指します。
「エゴサ」と略称で呼ばれることが多く、芸能人やスポーツ選手がファンや視聴者の声をチェックするために行うイメージが強いですが、近年では企業や飲食店、スタートアップなども積極的に活用しています。
特に企業の場合、消費者がSNSやレビューサイトに書き込んだ率直な意見や評価を知ることは、マーケティング活動に直結します。ポジティブな評価は強みの発見につながり、ネガティブな意見は商品やサービス改善のヒントを与えてくれるためです。
さらに、ネット上での自社のイメージや評判の把握は、ブランド戦略を立てる上でも欠かせません。また、エゴサーチは「ソーシャルリスニング」の一環としても注目されており、消費者のリアルな声を収集・分析するための有効な手段として広く用いられています。
パブサ（パブリックサーチ）との違い
エゴサーチと似た言葉に「パブサ（パブリックサーチ）」があります。パブサは、自社に関係のない事柄を検索する意味であり、例えば競合企業の商品やサービスの評判を調べることが代表的です。
両者を混同しないためには、「エゴサーチ＝自分（自社）を検索する」「パブサ＝他人（競合）を検索する」と覚えておきましょう。
エゴサーチでは自社が世間からどのように見られているかを確認できますが、パブサでは市場全体の動きや競合の評価を把握できます。エゴサとパブサを組み合わせての活用で、自社の立ち位置をより客観的に理解し、競争優位性を高める戦略立案が可能になります。
企業がエゴサをしたほうが良い理由
エゴサーチは単なる情報収集にとどまらず、企業の信頼性やブランド価値を守るための重要な手段です。ここではエゴサーチの利点について解説します。
市場のニーズや消費行動を素早く察知できるため
現在、多くの消費者はSNSや掲示板、レビューサイトを通じて自由に意見を発信しています。エゴサーチを行えば、自社の商品がどれほど認知されているか、利用者が実際に感じたメリットや不満点は何かなどの情報を効率的に把握できます。
さらに、同じジャンルの商品を比較する投稿や、競合企業と並べて評価されているケースも少なくありません。こうした情報は新商品開発やサービス改善に役立つだけでなく、広告戦略を見直すきっかけにもなります。
一方で、世間の声を無視し続けてしまうと、時代の変化とのズレが広がり、顧客から見放されるリスクやブランド価値の低下につながります。最悪の場合、炎上や風評被害が起き、企業イメージの回復に多大な労力を要する可能性もあるのです。
誤った情報が拡散されていないかをチェックするため
SNSの普及によって、情報は一瞬で拡散する時代になりました。その中には正しい情報だけでなく、誤解や誤った内容が含まれる場合もあります。特に影響力のあるインフルエンサーやメディアが誤情報を流すと、短期間で多くの消費者に信じ込まれてしまう危険があります。
エゴサーチを怠っていると、そうした誤情報に気付かず対応が後手に回り、ネガティブなイメージが定着してしまうおそれがあります。ブランドイメージの回復には多大なコストと時間が必要になるため、早期に正しい情報を発信し、誤解を解消することが欠かせません。その意味で、エゴサーチは攻めのマーケティングだけでなく、防御の観点からも企業にとって欠かせない活動といえるでしょう。
【媒体別】エゴサの方法
SNSは、消費者が率直に商品やサービスについて感想を投稿している媒体です。SNSでのエゴサーチを効率的に活用できれば、マーケティング施策の改善や評判管理に役立ちます。
ここでは、X（旧Twitter）、Instagram、LINEとIFTTTを使ったエゴサーチの方法を詳しく紹介します。
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X（旧Twitter）でのエゴサ
Xは投稿数が多く、リアルタイム性が高いため、エゴサに最も活用されているSNSのひとつです。基本的には検索ボックスに自社名や商品名を入力して調べますが、そのままでは無関係な投稿も多く表示されがちです。
そこで便利なのが「高度な検索」です。例えば「すべての単語を含む投稿」「特定の単語を除外」「特定のハッシュタグ検索」「特定アカウントからの投稿のみ」「特定アカウントへのリプライ」などを条件に指定できます。さらに期間を絞ることで、特定のキャンペーン時期の評判を効率的に確認できます。
Instagramでのエゴサ
Instagramは写真や動画を中心としたSNSで、実店舗やアパレル、食品といったビジュアルで表現しやすい業種で特に有効です。検索窓にブランド名を入力すると関連投稿を探せますが、本文内のキーワード検索はできません。
そのため「#ブランド名」「#店舗名」のハッシュタグ検索を活用するのが基本です。ユーザーが実際に商品を使用した写真付きの投稿は、リアルで具体的な利用シーンを把握するのに役立ちます。
LINE・IFTTT（イフト）を活用したエゴサ
効率よく情報を集めたい場合は、LINEとIFTTTを連携させる方法もあります。IFTTTはさまざまなSNSとつなげられる自動化ツールで、あらかじめ条件を設定しておくと該当する投稿があった際にLINEに通知されます。
例えば「自社名が含まれるツイート」を設定しておけば、新しい投稿がリアルタイムで届く仕組みです。逐一検索をする手間を省き、タイムリーに顧客の声をキャッチできます。
企業がエゴサを有効活用するコツ
企業がエゴサを行う目的は、単に評判を確認するだけではなく、顧客の声をマーケティングや商品改善に活かすことです。エゴサを通じて得られた情報をどう分析し、社内の戦略に結び付けるかが成果を左右します。ここでは、具体的な活用のコツを紹介します。
エゴサで得た情報を分析する
エゴサをして「良い意見があった」「悪い評価があった」と確認するだけでは意味がありません。大切なのは、収集した消費者の声を整理し、改善点や強みを見極めて次の施策につなげることです。
例えば、自社商品の使いやすさに関する不満が繰り返し投稿されているなら、改良の優先順位を上げる判断材料になります。逆に高評価が多い要素は、強みとしてプロモーションに活かせるでしょう。
また、SNSは日々更新されるため、定期的にエゴサを実施してトレンドや新たな課題のキャッチも重要です。ネガティブな意見も軽視せず、真摯に受け止めることで、顧客満足度の向上や炎上リスクの回避につながります。
ツールを導入する
効率的にエゴサを行うには、ツールの活用が欠かせません。人力で大量の投稿をチェックするのは限界があり、必要な情報を取りこぼす可能性もあります。そこで、SNS監視ツールや口コミ分析システムの導入で、大量の情報を短時間で整理・分析できるようになります。
さらに、専門の有人監視サービスを利用すれば、炎上の兆候や競合との比較など、より高度な分析も可能です。自社の規模や目的に合わせて適切な方法を選ぶことで、エゴサの効果を最大化できるでしょう。
まとめ
エゴサーチは、インターネット上での自社やブランドの評判を把握し、マーケティングやリスク管理に活用できる重要な手段です。SNSやレビューサイトに寄せられる消費者の声は、市場のニーズやトレンドをいち早く把握するヒントになります。さらに、誤情報やネガティブな評価を早期に察知し、迅速かつ適切に対応することで、ブランド価値を守ることも可能です。
効果的なエゴサーチの実施には、情報を集めるだけでなく、得られたデータを分析し、施策に反映させる姿勢が求められます。こうしたプロセスを継続的に行うためには、SNS監視ツールや口コミ分析システムを活用し、情報収集と分析の効率を高めることが有効です。エゴサーチを通じて、自社の成長戦略とブランド保護の両立を図っていきましょう。
