急伸するリテールメディア広告市場|主要トレンドや課題、今後の展望を解説
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リテールメディア広告の主要トレンド
AI活用の拡大やフルファネル化、数年後には数兆円規模へ拡大すると予測される市場動向や最新トレンドを理解できます。
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国内市場における主要な課題
プラットフォームの分散化やオンラインとオフラインの統合、事業者の参入における初期投資の負担といった課題を把握できます。
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今後の市場展望とプレイヤーの動向
大手チェーンの本格参入や中堅・中小企業の参画による事業利益率向上など、今後の市場拡大と期待される役割が分かります。
【あわせて読みたい】パーソナライズされた広告のメリットや注意点について知りたい方は「パーソナライズされた広告とは?活用するメリット・デメリット」をご覧ください。また、購買施策の効果測定について詳しく知りたい方は「デジタル施策(Webサイト/広告)の効果測定のコツは?押さえておくべきポイントを解説!」もおすすめです。
リテールメディアとは、小売事業者が自社の購買データや販売チャネルを活用して、メーカーや広告主に広告枠を提供する事業のことをいいます。広告効果を可視化できる点で急速に注目を集めている一方、市場拡大とともに運用や投資面での課題も顕在化しています。今回は、リテールメディア広告市場の主要トレンドと課題、そして今後の展望について解説します。
リテールメディア広告の主要トレンド
急成長を遂げているリテールメディア広告市場は、今後も拡大が見込まれています。
CARTA HOLDINGSとデジタルインファクトの調査によれば、国内リテールメディア広告市場規模は2025年に約5,982億円、2028年には約1兆845億円に達すると予測されています。この成長は、生活者のECサイト利用額の増加に連動した大手EC事業者提供のリテールメディア広告への需要が牽引しているとされています。
ここでは、市場を形作る主要なトレンドを4つ紹介します。
出典:株式会社CARTA HOLDINGS「CARTA HOLDINGS、リテールメディア広告市場調査を実施」
https://cartaholdings.co.jp/news/20250123_2/
AI活用が拡大
リテールメディア広告において、AIの活用が急速に進んでいます。AIは広告のパーソナライゼーションと自動化を推進し、一人ひとりの消費者に最適化された広告配信を実現します。
中でも特に注目されているのが、エージェント型AIの台頭です。これまでは検索や閲覧履歴に基づいた推奨が中心でしたが、エージェント型AIは消費者の意図をより深く理解し、能動的に最適な商品を提案することが可能です。これによって、購買体験の質が大きく向上しています。
関連記事:「パーソナライズされた広告とは?活用するメリット・デメリット」
フルファネル化の進展
リテールメディアは、購買促進のためのツールから、認知から購入までの全行程をカバーするフルファネル型のツールへと進化しています。具体的には、自社ECサイト内だけでなく外部サイトへの広告展開(オフサイト拡張)や、コネクテッドTV(CTV)との連携が進んでおり、消費者との接点が大幅に拡大しています。
こうした変化を受けて、ブランド広告主はリテールメディアをマーケティング戦略の中核に据えるようになっています。リテールメディアの役割は、短期的な売上向上だけでなく、長期的なブランド構築にまで広がっているのです。
関連記事:「ファネルとは?従来のマーケティングファネルや新しいモデルを紹介」
信頼性の向上
リテールメディアでは、広告接触から購買までが同じプラットフォーム内で行われるため、広告を見た人が実際に購入したかどうかを正確に追跡できます(クローズドループ帰属)。
また、小売事業者が直接収集した顧客データの活用により、サードパーティクッキーに依存しない信頼性の高い広告配信も実現しています。こうした透明性の向上により、広告主はリテールメディアへの投資を判断しやすくなり、市場全体の信頼性も高まっているのです。
関連記事:「サードパーティクッキーとは。規制理由と想定される影響を紹介」
店舗メディアのデジタル化
オンラインだけでなく、実店舗のメディア化も加速しています。IoT技術やデジタルサイネージを活用することで、店頭をメディアとして機能させ、リアルタイムでのパーソナライズされた情報提供が可能になっています。
日本市場では特に、日常の買い物に密着した生活密着型モデルが独自の進化を遂げており、ドラッグストアやスーパーマーケットなどの実店舗とデジタル技術を融合させた取り組みが広がっています。オンラインとオフラインの垣根を越えた統合的な顧客体験の提供が、今後のリテールメディアの重要なテーマとなっています。

国内のリテールメディアの主な課題
リテールメディア市場は急成長を遂げていますが、日本特有の課題も存在します。ここでは、国内のリテールメディアがさらなる普及を実現するために克服すべき3つの主要課題を解説します。
中〜小規模事業者が乱立
日本のリテールメディア市場における最大の課題のひとつは、プラットフォームの分散化です。
アメリカにはAmazonやWalmartのような圧倒的なシェアを占める巨大リテールメディアプラットフォームが存在しますが、日本には同様の存在がありません。その結果、中規模から小規模のリテールメディアが乱立している状態となっており、個々のプラットフォームが広告主の求めるリーチ数に届かないケースが多く見られます。
広告主は複数のプラットフォームを併用せざるを得ず、運用の複雑化やコスト増加といった問題に直面しています。
オンラインとオフラインのシームレス化
オンラインとオフラインの統合も大きな課題です。オンラインを中心としたリテールメディアとリアル店舗の来店者データを効果的に組み合わせられていないケースが多く、顧客体験の分断が生じています。
特に、オンラインでの接点から店頭体験までをリアルタイムでメッセージングできるツールが限られており、消費者のカスタマージャーニー全体を最適化することが困難な状況です。この課題を解決するためには、オンライン・オフラインのデータを統合し、シームレスな顧客体験を提供できる技術基盤の構築が求められています。
関連記事:「オフラインとオンラインのデータ統合が注目されている理由とは?活用事例もご紹介」
初期投資の負担
リテールメディアの導入には、相応の初期投資が必要となります。特に小規模事業者にとって、この初期投資は大きな負担となっています。店舗内に設置するデジタルサイネージやECサイトの構築といったハード面の投資に加え、広告取引に特化した専門部隊を内製化、もしくは外注化するソフト面への投資も必要です。
人材確保や育成にかかるコスト、運用ノウハウの蓄積にも時間がかかるため、中小企業がリテールメディア市場に参入する障壁は依然として高い状況が続いています。

リテールメディアの今後の展望
リテールメディア市場は今後も拡大が予想されており、さまざまなプレイヤーの参入によりさらなる発展が期待されています。ここでは、市場の成長を支える2つの重要な動向について解説します。
大手コンビニ・スーパーの本格参入
大手コンビニエンスストアやスーパーマーケットチェーンが、リテールメディア事業に本格的に参入しています。これらの企業は、グループ統合IDの展開やアプリ機能の拡充を積極的に進めており、自社媒体の広告商品化を加速させています。顧客接点の多さと豊富な購買データを活かし、広告主にとって魅力的なプラットフォームを構築しつつあります。
また、楽天やAmazonといったEC系プラットフォーマーによる広告事業の拡大も市場成長を強力にけん引しており、オンラインとオフラインの両面から市場全体が活性化しています。
中堅・中小小売企業の参画で市場拡大
大手企業だけでなく、中堅・中小小売企業の参画も市場拡大の重要な要素です。リテールメディアは小売企業にとって高利益率の新規事業であり、利幅が薄くなりやすい店舗販売と組み合わせることで事業全体の利益率向上が期待できます。
一方、メーカー企業にとっては、購買に直結した広告施策によりコンバージョン率の向上や明確なROI測定が可能になるという大きなメリットがあります。このような双方にとっての価値が認識され、中堅・中小小売企業の参画でプレイヤーが増加することで、市場拡大の追い風となっています。

まとめ
リテールメディアはAI活用やフルファネル化により成長を続ける一方、国内では分散化や初期投資などの課題も抱えています。今後は大手から中小まで参入が進み、市場はさらに拡大するでしょう。課題を理解した上で、自社に合った活用方法を検討していきましょう。

