夫婦の家事分担、実態は女性7.5割|満足度データから見る負担の偏り
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家事分担の実態と評価のギャップ
夫婦間における家事負担割合の偏りや、パートナーに対する評価に生じている大きな認識差を理解できます。
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家事負担に偏りが生まれる背景
同じ家事であっても、男女で異なる担う頻度や負担感を把握できます。
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家事負担の軽減策と企業の役割
生活者が取り入れている工夫や時短家電の導入状況、企業の関わり方が分かります。
【あわせて読みたい】共働き家庭における家事分担の課題について詳しく知りたい方は「共働き世帯の家事分担の現状と悩みとは|マーケティングのポイントも解説」をご覧ください。また、家事の効率化や意識の変化について深掘りしたい方は「料理に対する意識が変わってきた|キーワードは「タイパ」」もおすすめです。
共働き世帯が当たり前になった今も、「家事は結局どちらかに偏っている」と感じている方は少なくないのではないでしょうか。家事分担をめぐっては、分担比率だけでなく、お互いの家事に対する満足度にも見過ごせない差があることが調査から明らかになっています。今回は、調査データをもとに夫婦の家事分担の実態と負担の偏り、その背景を整理するとともに、そこから見えてくる企業の商品・サービス開発へのヒントを解説します。
生活者の意識やトレンドの変化をどう捉えるか、課題の整理からご相談いただけます。
【独自調査】夫婦の家事分担の実態とは?
株式会社クロス・マーケティングは「暮らし方に関する実態・意識調査(2026年8月定点ココロスタイルリサーチ)」を実施し、暮らしに関するさまざまな実態や意識を調査しました。ここでは、このうち結婚している人や配偶者・パートナーと同居している人を対象とした家事に関する設問の結果を紹介します。家事の分担状況や担当する家事、家事に対する満足度などをみると、家事の担い方や負担感には男女で違いがみられました。
家事比率は女性7.5割、男性2.5割
自身と配偶者・パートナーの家事全般の比率を尋ねたところ、女性の家事負担は平均7.5割、男性は2.5割となりました。個別の回答では、女性が「9割」と回答した割合が29%で最も多く、家事のほとんどを女性が担っている世帯が一定数あることが分かります。

「食事を作る」「食器洗い」は女性7割超が主担当
18項目の家事について、主にどちらが担当しているかを聞いたところ、「食事を作る」「食器洗い」「洗濯」「買い物」など、多くの家事で既婚女性の7割前後が主担当となりました。日常的に発生する頻度の高い家事ほど、女性側に集中しています。
既婚男性の家事分担は「ゴミ出し」49%がトップ
既婚男性が主に担う家事は「ゴミ出し」49%が突出しており、次いで「ペットのお世話」39%、「風呂場の掃除」35%程度となりました。この3項目以外の多くの家事では、男性が主担当となっている割合は少数にとどまります。
パートナーの家事への満足度、女性54点・男性81点の大きなギャップ
パートナーの家事に対する満足度を100点満点で聴取したところ、女性が男性パートナーの家事につけた点数は54点だったのに対し、男性が女性パートナーにつけた点数は81点でした。男性の回答では80点以上が75%、100点満点が35%で最多となっています。同じ家事分担の状況でも、男性は「やってもらえている」と感じる一方で、女性は「まだ足りない」と感じるなど、認識に大きな差がみられます。

なぜ家事分担に偏りが生まれるのか
夫婦の家事分担や満足度に男女差が生まれる背景には、家事を担当する割合だけでなく、日々の家事を行う頻度や、同じ家事に対する負担感の違いがあります。今回の調査では、こうした複数の側面から家事負担の偏りを確認することができます。
家事の頻度に男女差がある
家事を18項目提示し、それぞれの頻度を聴取した結果、すべての項目において女性の方が男性より頻度が高いという結果になりました。男性で週1日以上行っている家事として7割を超えるのは、「ペットのお世話」「小学生以下の子どもの育児」の2つにとどまっています。
このように、分担の比率だけでなく、日々の実行頻度そのものにも大きな差があることがわかります。家事を担う頻度の違いは、家事に対する負担感にも影響していると考えられます。

「好きな家事」「負担に感じる家事」の男女ギャップ
好きな家事・負担に感じている家事を尋ねた設問でも、「食事を作る」が男女ともに上位にあがりました。しかし、その割合を見ると、女性は男性よりも高い割合で「食事を作る」を負担に感じていると回答しています。同じ家事であっても、担う頻度の違いによって負担感の大きさが変わってくることがわかります。

家事・育児にかける時間にも、男女で大きな差
総務省「令和3年社会生活基本調査」によると、6歳未満の子どもを持つ夫婦の1日あたりの家事関連時間は、夫が1時間54分、妻が7時間28分となっています。2016年と比べて、夫の家事関連時間は増加傾向にあるものの、男女の時間には依然として大きな差があります。
出典:総務省統計局「令和3年社会生活基本調査」
https://www.stat.go.jp/data/shakai/2021/pdf/gaiyoua.pdf
家事の負担軽減に向けた工夫
家事分担が女性側に偏る実態がある一方で、家事の負担を軽減するために、さまざまな方法が取り入れられています。ここでは、日々の家事を効率化するために、どのような工夫やサービスが利用されているのかをみていきます。
時短の工夫は「冷凍・レトルト食品の活用」「まとめ買い」など
家事の負担軽減・時短のために利用している工夫やサービスを尋ねたところ、「冷凍食品・レトルト食品の利用」(31%)が最も多く、次いで「まとめ買いをして買い物回数を減らす」(28%)、「アイロンがいらない衣類の利用」(24%)が上位にあがりました。
特別な家電やサービスを新たに導入するよりも、日々の買い物や食事、衣類選びなど、普段の生活の中で手間を減らす工夫が中心となっています。また、これらの工夫は年齢が上がるほど利用率が高い傾向もみられました。

時短家電への関心は伸び悩み
時短家電の利用状況は、ハンディクリーナーが28%と比較的高い一方、ロボット掃除機は7%にとどまっています。「ひとつも利用していない」と回答した人も44%で、時短家電は家事の負担を減らす手段の一つですが、現時点では利用が広く定着しているとはいえません。初期費用や置き場所、使い方を覚える手間などが、導入のハードルになっている可能性も考えられます。

家事負担の軽減に向けて企業が果たせる役割
生活者がすでに取り入れている家事の負担軽減策を踏まえると、企業にとっては、単に家事を効率化する商品・サービスを提案するだけでなく、生活者が受け入れやすい形で負担軽減につなげることが重要になります。
家事代行サービスや時短家電、ミールキットなど、家事の負担を軽減する商品・サービスには、今後も一定の需要が見込まれます。特に「まとめ買い」「冷凍食品の利用」といったすでに実践している工夫の延長線上に商品・サービスを位置づけることで、新たな方法を取り入れる際のハードルを下げやすくなります。また、共働き世帯や子育て世帯など、家事負担が重くなりやすい層に着目することで、商品・サービスのターゲットを明確にし、訴求内容を考えやすくなります。
一方で、家電を導入することで家事の負担を軽減できることを訴求するだけでなく、生活者が現在行っている工夫や、商品・サービスを取り入れる際の負担も踏まえることが重要です。生活者がすでに実践している「まとめ買い」や「冷凍食品の活用」などを否定するのではなく、そうした既存の工夫を補完し、さらに家事の負担を減らせる方法として商品・サービスを提案することが、利用のきっかけにつながると考えられます。
まとめ
今回の調査から、夫婦・パートナー間の家事分担は依然として女性側に大きく偏っており、平均では女性が7.5割、男性が2.5割を担っていることが分かりました。また、パートナーの家事への満足度は女性が54点、男性が81点と、男女で大きな差がみられました。
家事の負担には、担当する割合だけでなく、日々の家事を行う頻度や、同じ家事に対する負担感も関係しています。家事の負担軽減を支援する商品・サービスを企画する際は、こうした複数の側面から実態を捉えることが重要です。
生活者の意識やトレンドの変化を自社の商品・サービスにどう活かすか、実態把握についてご相談いただけます。