自社技術から、“次に狙うべき商品・市場”を見つけるために。
技術そのものの優位性だけでは、次の商品開発の方向性は決まりません。
生活者にとっての価値へ置き換え、未充足ニーズを探し、市場性と自社技術とのフィットまで見ることで、「何をつくるか」だけでなく、「なぜそこを狙うのか」まで説明できる開発テーマが見えやすくなります。
本ページでは、そのために押さえておきたい考え方を、実践しやすいステップに沿ってご紹介します。
いきなり「何の商品にするか」を考える必要はありません。
まずは、技術を生活者価値へ変える。その価値に市場機会があるかを見る。最後に、自社が強みを出せる領域かを確かめる。
この順番で整理すると、技術の「面白さ」を、商品開発の判断材料へ変えやすくなります。
まずは、技術そのものの見方から変えてみます。

HOW TO 1 技術を「生活者にとっての価値」に言い換える
新しい技術を見ると、つい最初に、「何の商品に使えるだろう?」と考えてしまいます。
しかし、ここで既存商品を思い浮かべるほど、「高性能化」「機能追加」といった今ある商品の延長に発想が寄りやすくなります。
そこで一度、商品から離れます。
「この技術で何ができるのか」「それによって、生活者の何が変わるのか」まで分解して考えてみます。

たとえば「高精度な検知技術」であれば、「検知できる」だけで終わらず、「変化に早く気づける」「失敗を減らせる」「判断の迷いを減らせる」といった、生活者にとっての意味へ置き換えられます。
ここまで整理すると、技術の使い道は一つの商品だけではなくなります。
では次に、生まれた価値の中で、どこに本当の市場機会があるのか。そこを見ていきます。
関連note
HOW TO 2 「高評価」ではなく、市場機会を見る
生活者価値の候補が見えてくると、次は調査で確認したくなります。
ここで注意したいのが、「どの案が一番高く評価されたか」だけで決めてしまうことです。
「欲しい」が多い案でも、すでに既存商品で十分満たされているなら、新しい商品が入り込める余地は大きくないかもしれません。
反対に、「困りごとが強い」「今の方法では十分解決できていない」領域には、まだ市場機会が残っている可能性があります。

そこで、ニーズの強さ× 未充足度× 市場の広がりから、優先して検討するテーマを見極めます。
ただし、市場機会が大きいことが分かっても、それだけで「そこに参入すべき」とは言えません。
次に必要なのが、「その市場で、自社だから価値を出せるのか」という視点です。
関連note
HOW TO 3 「売れそう」ではなく、“自社が狙う理由”を見る
市場規模が大きい。
成長性がある。
生活者ニーズもある。
魅力的な市場に見えても、競合も同じように魅力を感じています。
そこで最後に、市場の魅力度× 自社技術とのフィットを重ねます。

同じ技術でも、市場Aでは競合との差が出しにくい。市場Bでは一部の強みしか使えない。
市場Cでは、自社技術だからこそ大きな価値を生み出せる。という違いが生まれます。
さらに、「この技術=この商品」と固定せず、技術 → 提供できる価値 → 複数の市場まで広げて考えることで、これまで想定していなかった市場が候補になることもあります。
関連note
ここまでの3つをつなげることで、
「技術として面白い」
↓
「生活者にとって価値がある」
↓
「市場機会がある」
↓
「自社だから狙う理由がある」
という、一つのストーリーになります。
商品開発で本当に決めたいのは、「どの案が一番評価されたか」ではありません。
“次に、どの開発テーマへ進むべきか”です。
実際のプロジェクトでは、どう活用されているのか?
技術と市場をつなぐと言っても、企業によって課題は異なります。
「研究成果の価値を、事業部門へどう伝えるか」
「未来の市場を見据え、どの開発テーマを選ぶか」
実際のプロジェクトでは、それぞれの技術・組織課題に合わせながら、生活者価値への翻訳と市場性の検証を進めています。
具体的な進め方は、以下の事例からご覧いただけます。
-
ライオン株式会社様研究と事業の「目線の違い」を、生活者価値という共通言語へ。
研究部門と事業部門で異なっていた時間軸や視点に対し、Seeds-Needs Bridgeを使って技術を要素分解し、生活者価値へ接続。さらにグローバル市場で市場性検証を行い、生活者データに裏付けられた技術価値を関連部署へ伝えやすい状態につなげています。
研究と事業の目線を揃え、
グローバル市場を動かす共通言語を作る。
技術をいかに生活者価値として
関連部署や市場に分かりやすく伝えるか。 記事はこちらから▶ -
コクヨ株式会社様技術の「面白い」と企画の「売れるのか」をつなぐ。
未来シナリオと技術の間に「機能・効能・便益」というレイヤーを置き、R&D・企画が共通言語で議論できる状態を設計。職種横断ワークショップと定量調査によってニーズ仮説を検証し、中長期の開発方針につながる整理を行っています。
技術と市場の「言葉の壁」を壊す。
未来を動かす「共通言語」の作り方 記事はこちらから▶
こんな状況なら、Seeds-Needs Bridgeをご活用いただけます。
ここまで見て、「自社も似た状況かもしれない」と感じた方は、以下の項目も確認してみてください。
ひとつでも当てはまる場合、商品アイデアそのものではなく、技術と市場をつなぐプロセスを一度見直すことが、次の一手につながるかもしれません。
- 独自技術はあるが、どの生活者ニーズに使えるか分からない
- 研究成果を商品企画へつなげきれていない
- アイデア会議をしても、既存商品の改良案ばかりになる
- 「欲しい」と言われた案の中から、どれを進めるべきか決められない
- 市場規模は分かるが、自社が参入する理由を説明できない
- 研究開発・企画・マーケティングの議論を同じ軸で進めたい

Q. まだ具体的な商品アイデアがありません。それでも相談できますか?
A. はい。技術シーズから生活者ニーズの仮説を広げる段階から検討できます。
Q. 通常の商品調査とは何が違いますか?
A. 出来上がった商品案を評価するだけでなく、その前段階の「技術を生活者価値へ変換し、ニーズを探索するところ」から扱う点が異なります。
Q. どこまで支援してもらえますか?
A. ニーズ仮説構築から市場性検証までを一つの流れとして支援し、次の商品・コンセプト開発につながる領域を整理します。


