スクリーニングとは?マーケティングにおける定義や手法、注意点
公開日:
-
スクリーニングの基本定義とマーケティングでの活用場面
対象者を条件に基づいて絞り込む基本概念とともに、市場調査の精度向上や商品開発で適切なターゲット層の声を集めるために果たす役割を理解できます。
-
スクリーニングがもたらす費用対効果のメリット
調査コストの抑制や回答精度の向上に加え、営業の成約率アップや広告配信の無駄を省いて投資対効果を高められる背景を把握できます。
-
主な調査手法の特徴と失敗を防ぐ設計ポイント
Web調査や電話調査などの特徴の違いをはじめ、客観的な行動事実を問う設問設計や出現率に応じた配信規模の決め方などが分かります。
【あわせて読みたい】 スクリーニング設問の具体的な作り方や、回答率を高める調査票の作成手順に悩んでいる方は「アンケートの作り方:手順・質問例・回答率を上げるコツ」をご覧ください。また、出現率をふまえた適切な目標回答数の設定やサンプルサイズの逆算方法を知りたい方には「サンプルサイズの決め方|アンケートの必要回答数と誤差の早見表」もおすすめです。
市場調査やアンケート調査を実施する場面では、「スクリーニング」が重要な意味を持ちます。スクリーニングとは、対象者を条件に基づいて絞り込む作業のことで、調査精度や業務効率に大きく影響します。今回は、スクリーニングの定義から、マーケティングにおける重要性、具体的な手法と実施時のポイントまで詳しく解説します。
調査目的に合った対象者をどのように選定すればよいか、ターゲットや調査条件の整理からご相談いただけます。
「スクリーニング」とは
スクリーニングとは、もともと「ふるい分け」や「絞り込み」を意味する言葉です。対象となる人やデータを、あらかじめ定めた特定の条件に基づいて選別するプロセスのことを指します。
マーケティングの文脈では、膨大な顧客データやアンケートの回答結果の中から、購買意欲やニーズの高い見込み顧客を抽出する目的で活用されます。「市場調査」と「商品開発」という2つのフェーズで特に重要な役割を果たします。
市場調査においては、本調査を実施する前の段階で、調査対象として適切な人物を絞り込むための手段として位置づけられます。商品開発においては、ターゲット層に合致する消費者の声を優先的に集めることで、より精度の高いインサイトを得ることに役立てられます。

マーケティングにおけるスクリーニングの重要性
スクリーニングは、投資対効果(ROI)の向上に寄与します。マーケティング活動においてスクリーニングが有用とされる理由について説明します。
調査対象者を効率良く抽出できる
スクリーニング調査によって、分析に必要な調査対象者を効率良く抽出することができます。
例えば、「20代女性で化粧品を月に1回以上購入している人」という条件でスクリーニングを行うことで、本調査のターゲット層に合致した人だけに調査票を届けることが可能になります。また、本調査の回答精度を高めながら、調査にかかるコストや時間も抑えやすくなります。
営業や広告の無駄を省ける
スクリーニングのもう1つの利点は、見込みの低い層へのアプローチを排除できることです。顧客データや市場情報の中から、自社の製品やサービスに関心が高い見込み顧客を選び出すことで、確度の低い相手に時間やコストをかける無駄を省くことができます。
営業活動においては、スクリーニングによって優先度の高い顧客リストを作成することで、成約率の向上や営業コストの削減につながります。広告配信においても、ターゲットに合致した層に絞って配信することで、費用対効果を高めやすくなります。

スクリーニング調査の手法
スクリーニング調査は、さまざまな方法で実施できます。代表的なインターネット調査をはじめ、他の手法についてもそれぞれの特徴を紹介します。
インターネット調査で実施する
現在、スクリーニング調査において広く使われている手法がインターネット調査です。調査会社が保有するモニターパネルの登録属性(年齢・性別・職業など)をもとに対象候補者を絞り込み、さらにWeb上の設問を通じて条件に合致した対象者だけを本調査へと誘導します。
具体的な流れとしては、調査票にアクセスするためのURLを対象候補者に案内し、指定のURLにアクセスした回答者がスクリーニング設問に答えるという形式が一般的です。条件を満たした回答者だけが本調査へ進める仕組みになっているため、効率的に対象者を選定できます。
関連記事:「あらためて知っておきたい ネットリサーチのメリットとデメリット」
電話調査・郵送調査・街頭調査を活用する
スクリーニング調査は、電話調査・郵送調査・街頭調査といった手法でも実施できます。電話調査は対象者に直接聞き取りができるため、地理的に離れた地域の方々に対しても効率良くスクリーニングを行える点が特長です。
一方で、郵送調査や街頭調査はインターネット調査と比べて回答回収に時間がかかりやすく、コスト面での負担も大きくなる傾向があります。それぞれの手法には一長一短があるため、調査目的やターゲット層の属性に応じて最適な手法を選択することが大切です。
関連記事:「街頭調査が断られる理由と協力を得るためのテクニック」
スクリーニング調査を実施するときのポイント
精度の高いスクリーニング調査を実施するためには、設計段階から注意すべき点がいくつかあります。具体的なポイントを1つずつ解説します。
ターゲット層とスクリーニング基準を明確にする
スクリーニング調査にあたり、ターゲット層の属性(年齢・性別・職業・購買履歴など)と、抽出条件・除外条件をあらかじめ厳密に定義しましょう。ただし、条件を絞り込みすぎると、条件に合致する対象者が不足してしまい、目標としているサンプル数を確保できなくなる可能性もあります。
調査の信頼性を担保するためのサンプル数と、絞り込み精度のバランスを意識しながら基準を設定することが大切です。
設問を工夫して抽出精度を高める
スクリーニング調査では、設問の設計そのものも精度に大きく影響します。回答者が調査者の意図を推測して回答を変えることがないよう、誘導的な表現を避けることが大切です。
回答の精度を高めるには、個人の主観的な意識ではなく、購入頻度や利用回数など客観的な行動事実を尋ねることが有効です。「好き・嫌い・興味がある」などの意識を尋ねる設問は、回答者の主観に左右される場合があります。「あなたは1週間に何杯コーヒーを飲みますか?」などの具体的な行動を問うことで、人による解釈の違いが生まれにくく、より正確な結果を得やすくなります。
出現率をふまえて配信数を設計する
出現率とは、スクリーニング調査の回答者のうち、設定した条件に合致する人の割合を指します。この出現率と、想定される回答率をもとに、必要なサンプル数を逆算して配信数を決定します。
出現率は設定した条件の厳しさによって大きく変動します。例えば「特定のニッチ商品の過去1か月以内の購入者」のような条件では出現率が低くなるため、より多くの配信数が必要になります。目標とするサンプル数を確保するためにも、事前に出現率を推定し、それに見合った調査規模を設計することが求められます。
個人情報保護法を遵守する
スクリーニング調査では、氏名・住所・職業・健康状態といった個人情報や機微な情報を扱う場合があります。個人情報を取得する際には、利用目的を本人に通知または公表する必要があります。また、病歴や健康診断の結果などの要配慮個人情報を取得する場合は、原則として本人の同意が必要です。個人情報保護法や業界のガイドラインに準拠した調査設計を心がけましょう。
関連記事:「改正個人情報保護法の公布で何が変わる?マーケティングへの影響も併せて解説」

まとめ
スクリーニングとは、あらかじめ設定した条件に基づいて対象者やデータを絞り込む手法です。マーケティングでは、調査対象者や見込み顧客を適切に選定することで、必要な情報を効率良く集めたり、営業・広告の費用対効果を高めたりするのに役立ちます。
実施する際は、ターゲット層や抽出条件を明確にし、設問内容や出現率、必要なサンプル数を考慮して設計することが重要です。個人情報の取り扱いにも配慮しながら、調査目的に合ったスクリーニングを行いましょう。
スクリーニング調査から本調査まで、調査目的や対象者条件に応じた調査の進め方についてご相談いただけます。
関連ページ

